君、今ここに【及川徹】 (ページ5)

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Aが俺の前に現れてから約1週間

俺たちは烏野高校と練習試合をすることになった

のだが…

「このクソ川ァ！！！！！」

「お兄ちゃんってほんっっと馬鹿っ！」

「ごめん、岩ちゃん」

足を軽く捻挫してしまい、念のため病院に行くことに

「早く帰って来いよ、クソ川」

「それまでに負けたら許さないからね？！」

「足を捻挫したお前に言われたかねぇ」

渋々と病院へ向かうこととなった

後ろからすっと着いてくるA

「Aは試合見てなよ」

「うん、あのさお兄ちゃん」

少しうつ向きながら困ったような顔をして

「ど、どうして私のイスがあるの…？」

監督、コーチの隣にマネージャーであるAのイスが用意されていた

さも当然のように

「いいの、お前の席なんだから大人しく座ってなさい」

そう言うと嬉しそうに笑って戻っていった

コーチの隣にちょこんと座った

しっかりと見えているのは俺だけだが、きっと他のみんなも感じているのだろう

だって、Aの座っているイスをじっと眺めているのだから

「…どんだけ愛されてるんだよお前は」

誰もいないであろうイスに皆が声をかけていく

「ぜってー勝つからなー」

「シュークリーム置いとくぞー」

「Aのジャージ置いとくから」

岩ちゃん、マッキー、国見ちゃんとそれに続くように皆が声をかける

かけられた言葉に対して律儀に返していくA

「岩ちゃん、頑張って！」

「花巻先輩、ありがとうございます！」

「国見くんもありがとう！」

「烏野高校到着は4時です」

よし、病院行こう