鬼舞辻の癇癪・幻惑の血の香り�� ページ7
「貴様ら何をしている！」
「酔っぱらいか！？」
「離れろ！！」
「下がれ下がれ！」
「どけ！！」
警官が人混みを乱雑に押しのけ、騒ぎの中心にやって来る。Aは男性を押さえながらも警官に拘束具を持ってきてくれと頼み込む。しかし、警官は子供の戯言だと思っているのか、男性からAを引き剥がそうとする。
「やめてください！俺以外は
「グルルッ！」
男性が警官を威嚇する。一人の警官が、あっ！と声を上げて、男性を指さす。
「何だこいつの顔！これは…正気を失っているのか！」
「速く少年を引き剥がせ！」
「わかった！」
「やめてくれ！！
＿＿＿惑血・視覚夢幻の香
「！？」
何だ、この香りは…！
ふわりと、甘い血の香りがAの鼻を掠めた瞬間、辺りに華やかな紋様が広がる。警官が悲鳴をあげるが、それは怪我による悲鳴ではなく、周りが見えなくなったことに対する悲鳴だった。
Aは何かの攻撃かと身構えるが、何処からも敵意や殺気などは感じない。ザリッと、下駄が砂利を蹴る音がする。Aがハッと顔を上げると、そこには着物の女性と、彼女の後ろに威嚇するようにAを睨めつける書生姿の青年がいた。
「あなたは、鬼となった者にも『人』という言葉を使ってくださるのですね。──そして助けようとしている。ならば私もあなたを手助けしましょう」
女性がそう言って血が流れる腕を摩ると、出血は瞬く間に癒え、傷など元から無かったかのように消え失せた。それは、紛れもなく、女性が人間ではないことの証で。
「…………なぜ、ですか？あなたは…あなたの匂いは…」
次々と湧き上がる疑問が、Aの口をついて出る。
「そう、私は──…鬼ですが医者でもあり、あの男・鬼舞辻を抹殺したいと思っている」
その言葉を聞いたAは、ぽかんと口を開けたマヌケ顔で女性を見つめた。
＋＋＋
三つ編みの少女が、しょんぼりと落ち込んだ表情で父親を見つめていた。
「お父さんは来ないの？」
「仕事があるんです、商談に行かなければなりません。さっきの騒ぎも気になります」
「あなた…」
「大丈夫。警官に尋ねるだけですから」
便宜上妻としている女性の言葉に鬼舞辻は爽やかな笑顔で答え、馬車に揺られる妻と娘を見送ると、人気のない路地裏へ歩き出した。
鬼舞辻の癇癪・幻惑の血の香り��→←第14話 鬼舞辻の癇癪・幻惑の血の香り��
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眠いちゃん - そして走れメロス…… (2023年4月5日 0時) (
レス) id: 07b28c2f89 (このIDを非表示/違反報告)
眠いちゃん - 続きが見たい… (2023年1月4日 21時) (レス) @page20 id: acdc06f415 (このIDを非表示/違反報告)
ツクモ@不定期更新(プロフ) - 璃羽雲さん» コメントありがとうございます。不定期更新ですが応援してくれると幸いです。もちろん、煉獄さんオチも書けますとも！承知致しました！ (2020年1月7日 9時) (レス) id: 616ee5bd45 (このIDを非表示/違反報告)
璃羽雲(プロフ) - いつも楽しんで読ませて頂いております！これからも頑張って下さい！煉獄さん落ちは書けますか？ (2020年1月6日 19時) (レス) id: e519b11f90 (このIDを非表示/違反報告)
ツクモ@不定期更新(プロフ) - 青海真珠さん» コメントありがとうございます！ひぇぇそんな恐れ多い...！！！＞＜(←褒められ慣れてないから人) こちらこそ、読んでくださってありがとうございます！！！不定期ですが更新頑張ります！！！ (2019年12月8日 10時) (レス) id: 616ee5bd45 (このIDを非表示/違反報告)
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