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食らった後に気づいたもの ページ9

「うぐっ」
突然、体に激痛が走った。
どうしたんだろうかこれは。
あれは毒だったのか?
とりあえず、周りを見渡した。
東の空は、紫がかった色をしていて、明るい。
もうすぐ日が昇ってしまう。
痛みで震える体を引きずるようにして、ひたすら走った。
あの洞窟までは何とか間に合うか間に合わないかくらいだろう。
でも、私の知る限りここらの地域である程度人里から離れていて、日を確実に防げる場所なんてあそこしかない。
急がなければ。


あの洞窟が見えてきた。
もうすぐだ。でも、憎たらしいことに空はさらに明るくなって、いつ上るかも分からない。
しかも、まだ全身に激痛が走っている。
あとちょっとなんだ。あとちょっと……

日が昇ったのは、あの洞窟まで後2歩のところだった。
そして、洞窟に入る直前、足の一部から小さな火が生まれた。
ズキリと痛みが足に走った。
そして燃えたせいで生まれた痛みに呼応するかのように、全身のあの激痛が、馬鹿みたいに増した。
足が燃えたのは一瞬のことだったらしく、すぐに足は、元通りになった。
でも、あの痛みがどんどん増している。
今、私はどんな声を出しているのか分からない。もしかしたら何も言ってはいないのだろうか。
指一本動かしたくない気持ちではいるけど、今私がどんな格好でどんなふうにいるかも分からない。
不意に、この痛みが、おでこの痛みと同じだと気が付いた。
度合いは段違いだが。


いつまでこんなことが続くのだろうか。
いつまで、強烈さは増し続けるんだろうか。
気を紛らわそうと、何か目に映るもののことを考えようとした。
だが、果たして自分が目を開けているのかすら分からない。
耳を傾けようとしても、何か聞こえているのかすら分からない。
感覚に頼るのをあきらめて、まったく別の何かを考えようと思った。
とりあえず、何かを……なにかを……

ああ、そうだ食べもののことを考えよう。
けものは、大きいけど数が少ない。
蟲は、たくさんいるが、小さい。
まむしは、まだ蟲のなかでは大きい方だけど。
あとは……あとは……

なにか、ドンってからだが言ったような……

食らいたくないもの→←心



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作者名:ユウピイ | 作成日時:2023年10月29日 18時

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