会話 ページ6
「で、どうしてそんなことを聞くんだ?」
「あの鬼を倒してくれてありがとう。はい、殺して。」
地面に降りた。ここらがいい死に時だと思った。だって、今のわたしは鬼なんだから。
いつ人を食べちゃうかも分からない。
でも、ゆっくり近づこうとすると、
「俺も聞きたいことがある」
と言われた。
「何?」
「お前ってもしかしてそんなに人食ってないのか?」
「そうだよ。零。なんでそんなこと聞くの?あとわたし鬼でしょ。ちょっとは警戒したら?」
「だって会話が通じる割に弱すぎるじゃねえか。普通お前くらい話せる鬼は、もっと早く走れる」
まあそれでも大抵の鬼には追いつけるけどな、と彼は言った。
つまりわたし程度簡単に倒せますよってことらしい。
道理ですぐに切り掛かってこないわけだ。
まあ切り掛かってきたら一瞬で死ぬんだけど。
「なんかお前本当に人食ってないみてえだし見逃してやるよ。これからも食うなよ?」
え?いいのそれ。まあ、一応石はまだ噛み切れないしそれが終わってから死に時を考えてもいいかも。
そういえば、なんでわたしって鬼になったのに今まで死を考えなかったんだろう?
そんなことを考えているうちに、彼はあっという間に去っていった。
急にお腹すいた。そういえばさっき、人を前にしてたはずなのに食べたくならなかったな。まあ、偶然でしょ。
笹食べよ。
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作者名:ユウピイ | 作成日時:2023年10月29日 18時