鬼になった少女？の話 (ページ14)

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探しものページ14

結局、足が完治するまで2日もかかった。
鬼にしては遅いのかな。
そう思いながら、人気のなくなった暗い村を通り抜ける。
足を食べられて以来、何故か完全に食人衝動が無くなった。そのおかげで村に入っても人を食べる心配はない。
でも、ケモノや蟲の肉を食べるのも苦しくなったのは面倒だけど。
最近藤助とは会っていない。ここ2ヶ月程度の間、鬼が出たという噂を絶えず聞くようになったし、鬼狩りの仕事で忙しいんだろう。

今追っているのは、さっきからずっと人間を探している鬼だ。
体を透かしているから、当然気づく様子はない。
人が見れば卑怯に思うだろうけど、私の足は鬼としてはあまりにも遅すぎるから仕方もない。
なんとか追いついて、奴の精神を掴もうとした腕は、ただ虚空を掴んだだけだった。こんなことはいくらでもある。気づかれたわけではなく、ただ方向転換されたせいで失敗しただけだ。
いくら相手の動きがわかっても、体がついていかないから仕方ない。
もう一回手を伸ばして、今度は捕まえられたそれを口に放り込んた。
放り込んだそれを飲み込みつつ、また新たな獲物を探す。

今度は、鬼と鬼狩りが戦っているところに遭遇した。
とても私には追い付けない速さで戦っているし、事故を防ぐためにもしばらくの間は様子見だ。鬼狩りが劣勢になったらもう事故が起こっても変わらないから食べに行けばいいし、鬼狩りが鬼の首を切り落とせば、動かない奴を相手にして食べられるからこういう状況はうれしい。
そういえばどれくらい食べたかな。7体までなら数えていたけど、そこから先は数え忘れたせいでまったくもって分からない。まあべつにどうでもいいや。
そんなことを考えている間に、鬼狩りの方が追いやられてきたようだ。
けがだらけで、もし人間なら心を痛めていたのかもしれない様子だ。
一応鬼が鬼狩りと離れたところを狙う。事故が起きないようにするにはそれが一番だ。
刀を奪うために少し勢いを付けようと鬼が離れるところをねらって、右手を伸ばす。
だが、鬼狩りの方がやや熱心すぎたようだ。つかんだのは人間のだった。
だが、動かなくなった人間を見て油断したようだ。左手でつかめた。
右手のを人間に戻してから、左手のを口に運ぶ。
鬼狩りはしっかり元に戻ったようで、また鬼を探しに行った。