審神者就任一日目 後 ページ18
「いいえ!本丸の神域は特殊空間になっておりますので、政府から送られる特殊な馬や審神者様自ら連れ込んだ生き物しかいません!」
ふんすふんすと鼻息荒く解説するこんのすけ。
先程の男…(村田というらしい。歳の割にやたらと艶のある髪をしているのが特徴。未来は凄いな。)は本丸内立ち入り許可が取れなかったということで政府で別れたので、今はこんのすけと二人だけだ。
「(たしかに何かと目が合ったと思うのに…)前任(が持ち込んでいたの)か?」
「前任の審神者はもう逮捕されております!」
…?
じゃあなんだったのか。
「こんのすけ」
「はい審神者様!」
「(少し走るから)乗れ」
ぴょんと肩に飛び乗ってこられ一瞬体が硬直したものの、胸に抱え直して息を吸い、思い切り踏み込む。
視界の端を凄まじいスピードで通り過ぎていく山の木々。一度走り出せばやはり慣れか、石や枝に躓くことは無かった。
どんどん体が慣れてさらに速度も上がったが、ほんの少し楽しくなってきたその時急に視界が開けた。
目の前にあるのは豪勢な日本家屋。
1目見るだけでも相当な部屋数があるのが分かる。
…だが、その外観はなんだか煤けてみえる。記憶にある最も広い和風建築、産屋敷邸とは大違いだな。
「お化け屋敷のようだな」
「言い得て妙かと!」
しばらく挙動がおかしかったがようやく再起動したようだ。よかった。お前に壊れられると俺は何も出来なくなる。正直ほとんど操作も覚えられてないんだ。
こんのすけを地面に下ろし玄関の方へ歩いていく。直ぐに見つかった広い玄関。引き戸のそれをガラガラ動かすと、思わず中の光景に眉をしかめた。
「酷いな」
床には血痕の染み付いた痕がそこら中にあるし、壁には刃物をひっかけたような跡も沢山ついている。
これが戦いによるものでは無いというのだから、さらに物々しさが増していた。
「土足のままで構いません!審神者様の霊力の質ならそのうち綺麗になるでしょうから!」
そういうものか?
そもそも機械の扱いは教えられたが霊力の扱いは聞いてないぞ。どうなってるんだそこら辺は。
でも靴を脱がなくていいのは有難い。こんな所を歩いたら部屋につく頃には足が血塗れになってしまう。
こんのすけに本丸内の間取りを教えられながら足を進めていく。俺は相槌をうっているだけなのによく喋るなお前…
「こちらが大広間です!先程スキャンしたところこちらに皆様いらっしゃるようで!」
「そうか」
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ふわな - あの某掲示板感が面白いです!更新待ってます! (2022年8月12日 15時) (レス) @page8 id: 71a4ce2144 (このIDを非表示/違反報告)
花 - 続きを寒いなか正座で待機中 『フクフクフク……………どこ?』 (2021年2月6日 22時) (レス) id: b89caa16cb (このIDを非表示/違反報告)
めがね - つ・・・続きを・・・O( ° O ° O) (2021年1月23日 22時) (レス) id: af4084f8cb (このIDを非表示/違反報告)
ハイキュー大好き!!(プロフ) - 続きがとても気になります!!更新頑張ってください!! (2020年10月11日 23時) (レス) id: 2d39102061 (このIDを非表示/違反報告)
燐華(プロフ) - 更新ありがとうございます!これからも頑張ってください! (2020年7月12日 14時) (レス) id: 0be41e7afe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:トイプードル | 作成日時:2019年9月24日 11時