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05.香り ページ7

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きっと窓から入ってきたんだ。
…さっきまでお客さんと横になっていたのは、見られてた?









「…いつからここに?」

「今来たばかりだァ」










ほっと胸を撫でおろす。
あなたには私のそういう姿は少しも見せたくないから。










鬼が出るのは夜だって言ってたから、今は仕事終わりなのかな…









「お茶をいれますね」










今お茶を誰かに運ばせたら、お客さんじゃない人が部屋にいるのがばれて怒られてしまう。










「…おはぎも、食べますか?」

「…あァ」










柔らかくなった目元を見て、また胸がきゅっとする。










「不死川様がまた来るかもしれないと思って、今日のお昼に買いに出かけたんです」

「…お前が?」

「はい。前と違って、吉原の甘味処のものですけど…」










不死川様は私の顔を見て、目をぱちくりさせている。










「お口に合いましたか?」










前と同じように行儀よくちまちま食べる姿がなんだか可愛らしい。










「…あァ」

「ふふ、よかったです」










口に手を当てて、思わず笑ってしまう。前みたいに怒られるかと思ったら、あなたもほんの少し笑っていて、










優しい目つきに、私も釣られて微笑んだ。











…行為が終わってお客さんと寝ている数時間はぐっすり寝ることはいけないから寝不足で、今の時間は本来なら二度寝できる。










なのに少しも眠くなくて、楽しくて。










「…あ、」










箪笥にしまっていた羽織のことを思い出して、羽織を不死川様に渡した。










「…あァ、そういえば置いていったな」











不死川様はそれを羽織ると、










「…なんか、匂いが違ぇ」

「…普段お香を焚いているので、匂いが移ってしまったのかもしれません」

「…」

「すみません…」










いつも焚いているお香は甘い香りで、男の人は嫌がる人もいるかもしれない。肩を落としていると、










「…別に、嫌とは言ってねェ」










小さい声で、そう聞こえた。
予想外の言葉に、じっとあなたの顔を見つめてしまう。








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玲羅(プロフ) - すごく面白いです!体調に気をつけて、更新頑張ってください! (4月19日 11時) (レス) id: cb3a3c8e5d (このIDを非表示/違反報告)
萌娜(プロフ) - かるぱすさん» コメントありがとうございます^^そう言っていただけると本当に嬉しいです…!もう少しで完結予定なので、最後までよろしくお願いします♡ (4月3日 11時) (レス) id: 8beddeaf96 (このIDを非表示/違反報告)
かるぱす - 初コメ失礼します!この作品すごく面白いです!更新待ってます! (3月31日 0時) (レス) @page22 id: 11d8e78453 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:萌娜 | 作成日時:2024年2月29日 17時

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