04.もっと知りたい ページ6
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不死川様が忘れていった羽織は洗濯をしてもらって、私の部屋の箪笥にしまってある。
あれから数日。不死川様の来る気配はない。
今日も一日は始まって、たまたま昼見世の予定がなかった私は、この前鬼に襲われて怪我をされたお客さんに、手紙を書いていた。
怪我は命に関わるものではなかったらしくて一安心。
そして、あの時鬼に襲われた時のことを思い出すと、一緒に脳裏に浮かぶのは不死川様の顔。
…また、会えたらいいなぁ
でも、不死川という苗字しか知らず、住んでいるところも知らなくて、手紙を送ることもできない。
傷だらけで鬼と戦う姿を想像したら、鋭い目つきが柔らかくなる瞬間を思い浮かべたら、胸がきゅっと苦しくなる。
初めてあんな人に会ったから、もっとあなたのことを知りたかった。
だってまだ、鬼狩りをしていて、おはぎが好きなことしか知らない。
…おはぎ、用意しておこう。また来てくれるかもしれないから。きっと喜んでくれるから。
喜んだ顔を想像したら、仕事を頑張れそうな気がする。
他のお客さんの手紙をいくつか書いて、お風呂に入って、髪結いに髪を結ってもらう。
腕がなまらないように三味線の練習をして、お化粧をしていれば、あっと言う間に夕方になって、街は活気づいていく。
花魁道中をしていると、思い出すのは刀を持った不死川様の後ろ姿。
『───もう大丈夫だァ』
…考えすぎよ。自分に言い聞かせて前を向く。
そして、今夜のお客さんの夜の相手を終えて、朝方店の外までお見送り。荒いお客さんだったから、体が痛い。
「これでお別れなんて、名残惜しゅうありんす…」
嘘で塗り固められた言葉を紡いで、お客さんが見えなくなるまで手を振って、自分の部屋に戻ったら───
「…よォ」
「…不死川様…」
窓辺に座っていたのは、不死川様だった。
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玲羅(プロフ) - すごく面白いです!体調に気をつけて、更新頑張ってください! (4月19日 11時) (レス) id: cb3a3c8e5d (このIDを非表示/違反報告)
萌娜(プロフ) - かるぱすさん» コメントありがとうございます^^そう言っていただけると本当に嬉しいです…!もう少しで完結予定なので、最後までよろしくお願いします♡ (4月3日 11時) (レス) id: 8beddeaf96 (このIDを非表示/違反報告)
かるぱす - 初コメ失礼します!この作品すごく面白いです!更新待ってます! (3月31日 0時) (レス) @page22 id: 11d8e78453 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:萌娜 | 作成日時:2024年2月29日 17時