02.世界が変わる予感 ページ4
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「礼なんていらねェ」
そう言われたけど、騒ぎを聞きつけた楼主様が走ってきて、「うちの花魁を救ってくれたこと、どうかお礼をさせてください」と荻本屋に半ば強引に連れてかれちゃった。
「───で、礼ってのは…」
布団が敷かれた私の部屋にふたりきり。
そう。楼主様の言ったお礼とは、店一番の花魁の私が、夜のお相手をすることだった。
鬼に最初に狙われて怪我を負ったのは今夜の私のお客さんだったらしくて、今は診療所に運ばれて手当を受けてるらしい。
鬼を見てしまった人も私だけだったのか、襲った者は強盗と周りは勘違いし、その強盗は捕まったことになっていて、すでに騒ぎは収まっていた。
そして急に空きが出た私が、お礼としてお金を取らずに相手をして差し上げることに…
私も初めてのことばかりで頭が追いつかないまま、重たい着物を脱いで、肌着の
「…わっちは千早と申しんす」
「…俺はこんな礼ならいらねェ」
話しかけてみると、助けてくれた人は私と目も合わせずに立ち上がった。
「帰る」
「でも…」
正式に登楼すれば、たった一夜でとんでもない大金が飛んでいく。
なのにこの人は少しも興味のない素振り。…こういう場所は、嫌いだったのかな？
「別に礼が欲しくて助けた訳じゃねェ」
「…そうでありんすか…」
「じゃあな」
無理に引き止めるのも良くないと思ったけど、この時の私はなぜかあなたを少しでも知りたくてたまらなかった。
「…あのっ！」
「なんだ」
「少しだけ、お話したくて…駄目でありんすか？」
「…」
しばらくの沈黙の後、私の我儘に折れてくれて、「少しなら」と座り直してくれた。
「ありがとうござりんす」
「…喋り方」
「え？」
「…その喋り方、気に食わねェからやめろ。さっきお前を助けた時はそんな気持ち悪ィ喋り方じゃなかった」
なんだか私の世界を壊して変えてくれてるような気がして、口は悪いのになぜか温かくて心地いい。
「では、お茶を運んできてもらいましょう」
喋り方を変えると、少しだけ助けてくれた人の目つきが柔らかくなった気がして、私も自然と頬が緩む。
「あなたのお名前が知りたいです」
「…不死川」
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玲羅(プロフ) - すごく面白いです！体調に気をつけて、更新頑張ってください！ (4月19日 11時) (
レス) id: cb3a3c8e5d (このIDを非表示/違反報告)
萌娜(プロフ) - かるぱすさん» コメントありがとうございます＾＾そう言っていただけると本当に嬉しいです…！もう少しで完結予定なので、最後までよろしくお願いします♡ (4月3日 11時) (レス) id: 8beddeaf96 (このIDを非表示/違反報告)
かるぱす - 初コメ失礼します！この作品すごく面白いです！更新待ってます！ (3月31日 0時) (レス) @page22 id: 11d8e78453 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：萌娜
| 作成日時：2024年2月29日 17時
