28.重なる体 ※少し甘々シーンあります。 ページ30
-
抑えられない想いを、吐き出してしまった。
不死川さんは目をみはって、体のどこかが痛むような苦しげな表情をしていた。
「…俺は、」
「…」
「俺はお前に、伝えないでおこうと思った」
不死川さんの声は、僅かに震えていた。
「死ぬ覚悟なんて、とっくの昔にできてたはずなのに───…お前のせいで揺らいじまう」
そう言って、背骨が
「──────…Aが好きだ」
歯を食いしばるように伝えられた思いは、私の鼓膜を揺らして
「…んっ…」
瞬きのほんの僅かな瞬間に────唇を塞がれていた。
触れるだけの柔らかな、優しい口づけ。
体が甘く痺れて、あなたに応えるようにそっと唇を覆う。
「……いいのか?」
───ついに、一線を越えてしまう。
毎晩経験していることなのに、この先のことを考えると言葉にするのが恥ずかしくなって、不死川さんの腕の中で、一度だけ、ただ小さく頷いた。
「───…もう止められねぇ…」
「…っ、」
布団の上に押し倒され、掠れた吐息がこぼれて、深くなる口づけに体の力が抜ける。
「…不死川さ……ぁ、ふ、」
わたしの声は唇を塞がれて、遮られた。
「……───実弥、だ」
切なく呟かれたあなたの名前。
そう呼んで欲しいと、耳元で囁かれる。
「実弥さん…っ、」
「…手荒くなったら、悪ィ…」
余裕がなさそうにそう言うけど、触れる手は壊れ物を包み込むように優しかった。
首筋や鎖骨や指先、いたるところに何度も唇を落とされて、触れられた場所は火傷しそうなくらい熱を持つ。
着物がはだけると、実弥さんの広い肩幅と鍛えられた厚みのある肌を感じた。目立つたくさんの傷跡に、そっと触れる。
「…悪ィな、傷だらけで…」
「…ううん…綺麗です」
首筋に添えられた手に優しく口づけすると、帯紐は解かれて、襦袢を掻き分けられる。
「A…」
名前を呼ばれて口づけされる度に、甘い痺れは全身に広がって、呼吸は浅くなっていった。
*
ご覧いただきありがとうございます^^
書いてて恥ずかしくなっちゃったよー!
甘々シーンはここまでです笑
評価お気に入り登録が更新の励みになります♡
評価増えればまた更新します!
よければ右側の星をぽちっと★お願いします^^
続く (更新停止中) お気に入り登録で更新通知を受け取ろう
←27.告白
240人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
玲羅(プロフ) - すごく面白いです!体調に気をつけて、更新頑張ってください! (4月19日 11時) (レス) id: cb3a3c8e5d (このIDを非表示/違反報告)
萌娜(プロフ) - かるぱすさん» コメントありがとうございます^^そう言っていただけると本当に嬉しいです…!もう少しで完結予定なので、最後までよろしくお願いします♡ (4月3日 11時) (レス) id: 8beddeaf96 (このIDを非表示/違反報告)
かるぱす - 初コメ失礼します!この作品すごく面白いです!更新待ってます! (3月31日 0時) (レス) @page22 id: 11d8e78453 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:萌娜 | 作成日時:2024年2月29日 17時