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Space.1 宇宙からの旅人 ページ2

この宇宙には、ある一つの伝説がある。
ーー【宇宙が心無き者の手に落ちる時、キューリンに選ばれし九人の救世主が宇宙を救う】ーー






ここは惑星アレルシャ、魚座系の惑星の一つである。

現在、この星は残酷な宇宙の支配者、鬼舞辻の手によって壊滅への道を歩んでいた。

そこかしこに並ぶビルは砲撃で崩れ落ち、戦いに駆り出された男達は食われ、逃げる場所の一つもない女子供も逃げ惑い、ほんの数刻前までの平和な街は跡形もなく滅び去った。子供の泣き声がそこかしこから聞こえて来て、一人は顔を歪めながら話した。

全員が全員悲鳴をあげ、血を流し、地獄のような場所に救世主は降り立った。

「今回も雑魚鬼が多いこった!なぁ、悲鳴嶼よォ!」

「あぁ……胡蝶殿、準備はよろしいか」

「ええ。全員私の毒で殺してあげますよ」

オウシ、テンビン、サソリ。それぞれのキューリンをブラスターにセットする。見た目にもカラフルなそれは、鮮やかな強い光で三人をキュウレンジャーへと変身させた。

「ロックスター、雄牛ブラウン」

「サウンドスター、天秤ゴールド!」

「ポイズンスター、蠍パープル!」

各々特殊な日輪ソードを手に、雑魚鬼へ斬りかかる。目にも見えない速さで、誰にも負けない強さで。頸を斬られた鬼達はなすすべもなく消滅し、恐怖に怯える人々は歓声を上げた。

「チッ、まだまだ居んのか!」

「そろそろ庇いきれませんよ…!」

斬っても斬っても溢れ出てくる雑魚鬼に、少しづつ体力に限界という最も恐ろしい化け物が忍び寄る。ボイジャーへの避難誘導をしようにも、前にも後ろにも大量の雑魚鬼が詰め寄ってくる。

キリがない攻撃を諦めかけた___

その時だ。

空から宇宙スクーターが落ちて大量の雑魚鬼達を踏み潰し、ボイジャーへの道を切り開いたのだ。あまりに突然な出来事に、その場の全ての生物の動きが止まった。

「うむ!着陸は成功したな!」

「師匠、案外上手く行きましたね!」

「……あれは果たして着陸なのだろうか…」

「とにかく道が出来た!行くぞ!」

墜落という着陸を果たした宇宙スクーターに感謝しながら、逃げ遅れた人を乗せたボイジャーはふらつきながら惑星アレルシャを離陸した。

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作者名:ヲノ原世津葉 | 作成日時:2020年1月21日 1時

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