【鬼滅の刃】愛され系少女は２倍狙われている。

▼53 LOVE ページ10

【 炭治郎 side 】






『･･･んん もう食べれない･･･、もう、うっ。』






煉獄さんが抱き寄せて、彼の羽織に包まりながら小さくなって寝ているAをちらりと見る。


さっきから気張っているような匂いを感じていたから、苦しそうだけどなんだか楽しそうに寝言を言っていて安心した。


煉獄さんも、俺の名前は間違えられたけど面倒見の良さそうな人でよかった。







伊之助「うおおおお!!すげぇすげぇ速ぇぇぇ!!」



善逸「！危ない馬鹿この!!」







ゴォォォという音を立てながら走る列車の窓を開けて伊之助は身を乗り出しながら「Aを起こせ！見ねぇと勿体ねぇ!!」と叫び散らしている。







伊之助「俺外に出て走るから!!どっちが速いか競走する!!」




善逸「馬鹿にも程があるだろ!!」







列車の走る音に負けず劣らずの大声を出している2人が、煉獄さんの声に一瞬ぴたりと止まった。


･･･勿論俺も驚いたけど。







煉獄「危険だぞ！いつ鬼が出てくるかわからないんだ！」







冷静にキリッとしている煉獄さんと、鬼が出ると聞いていつも通り慌てふためいている善逸の会話を聞いていると「切符を拝見します」とこちらへ人が来た。







炭治郎「？？ 何ですか？」



煉獄「車掌さんが切符を確認して切り込みをいれてくれるんだ。」







まだ降りると言っている善逸はさておき、切り込みを入れてもらっていると嫌な匂いがした。







煉獄「む！Aのもやってもらわねばならないが･･･どこにあるかわからない！」



炭治郎「･･･あ、後で！後で起きたら車掌さんのところへ俺が持ってきます!!」







嫌な匂いがしたからか、咄嗟に出てしまった。


でも車掌さんはちらりとAを見ると、ぼそっと何かを言ったと思ったらコクンと首を縦に振って了承してくれた。







車掌「拝見しました･･････。」

▼54 LOVE→←▼52 LOVE

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す