【鬼滅の刃】人斬り少女と蜘蛛の鬼 弐

85、下弦の壱　弐 ページ41

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こいつがさっき言ってたあの方にでも関係しているのか？
まあでも教えてくれるならなんでもいい。

私が知りたいことは累のことだけだ。




「下弦の鬼について聞きたいんだけど…」


「下弦？……ああ、そうか。鬼殺隊はまだ知らないんだったね。


＿＿＿＿下弦はもうなくなったよ。」


「え…？」



こいつ今、何て言った…？下弦はなくなった？どういうこと…？

私が唖然としている間にも目の前の鬼は喋り続ける。




「下弦は解体したんだ。皆あの方に殺されたんだよ。だから下弦で生きてるのは俺一人。」



は…？

皆殺された……？累も、殺されたの…？
あの方とは恐らく無惨のことだろう。下弦を解体だなんて無惨にしかできないだろうから。
じゃあ累は無惨に殺されたってこと……？

嘘だ。そんなはずない。累が死ぬなんて、そんな…。
だって約束したんだ。累とずっと一緒にいるって。
誓ったんだ。累を絶対守るって。
なのに……っ死んだだなんてそんな…信じられる訳がない……！



「累も…殺されたの…？」



声が震える。
額に嫌な汗が伝っていくのが分かる。信じたくない現実に眩暈がする。


私はバカだ。

琵琶で累を無限城に転送しただけで累のことを助けた気分になっていただけだ。
その後のことなんてまるで考えていなかった。
累は無惨のお気に入りだと前に蜘蛛姉に聞いたことがあった。だから無惨は累には手を出さないと思っていたのに。

自分の浅はかな考えに吐き気がする。



そんな私を嘲笑うかのように目の前の鬼はクスクス笑う。




「答えるのは一つだけって言ったよね」



「＿＿＿いいから答えろ！！」





目の前が赤く染まる。

気づけば私は鬼の頸を斬っていた。
完全に斬った訳ではない。ほんの少し、後ほんの少し刀に力を込めれば簡単に鬼の頸は斬れてしまうだろう。



「うふふっ…いいね、君のその顔。とっても俺好みだ。でも、俺の頸を斬ろうとしても無駄だよ。俺はもうこの汽車と融合している。まだ完全じゃないけどね。だから……」




＿＿＿血鬼術、強制昏倒催眠の囁き。



「お眠りィィ…」



しまった…！

鬼の手から奇妙な口が現れ、その口から発せられた声を聞いた瞬間、意識が遠のいていく。



「しばらくは眠っててよ。君はあの方の元に連れて行かなきゃいけないからね。」



そんな鬼の言葉が聞こえたのを最後に私は微睡みへと落ちていった。



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