【鬼滅の刃】人斬り少女と蜘蛛の鬼

4、首なし鬼 ページ4

累side



妹が帰ってこない。

もう日が昇るというのに。妹以外の家族は皆戻ってきた。結局誰も少女は見つけられなかった。

妹はもしかして逃げたのか？という考えが一瞬頭を過ぎった時、ガタッと玄関から物音がした。


玄関を開けてみるとそこにはボロボロになった妹が倒れていた。服は切り刻まれており、すでに頸はなく身体は端から灰になり消えかかっていた。ここまで這ってきたのだろう。着物は土で汚れていて地面には這ってきた跡が残っていた。残念だが妹はもう死ぬだろう。最後に誰にやられたのかだけ気になる。
もしかして鬼殺隊がこの森に入ってきたのか？



「誰にやられたの？」




そう聞けば消えかかった指で文字をかく。書き上げた頃には妹は灰になって消えていた。地面には小さな文字で人斬りと書いてあった。




「人斬り…」



確か最近近くの街で人斬りがでるという噂を聞いたことがある。なんでも鬼をも斬る人斬りだと住民が噂しているのを聞いた。

人斬りなどどうでもいいが僕たち家族の静かな暮らしを邪魔するものは誰であろうと許さない。

少し調べてみるか…そう思い残された妹の服を拾い上げた時、甘い血の匂いが鼻腔を掠めた。



「この匂いは…」



あの少女の匂いと同じ匂いが妹の着物から微かにする。
甘い甘い、独特な血の匂い。
妹はあの少女に会ったのか？もしかしてあの少女も人斬りに襲われてしまったのだろうか？
それとももしくは…


まあその噂の人斬りに会えば分かる話だ。


少女の手かがりになるかもしれないという微かな期待を胸に僕は街へと向うことにした。


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