27、消えない ページ28
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「え?」
何て言ったのか聞き返してくる金髪少年を無視して部屋を出る。着いてきそうなのでそのまま猛スピードで移動した。
後ろから「待ってください!お名前を….!せめてお名前をおおお!」と言う声が聞こえたが幻聴ということにしておく。
サイコパスを相手にしてられるほど私は暇じゃないんだよねえ。
私にはやるべきことがある。
さあてと気を取り直して鬼狩りといこうじゃないか。
ポンッ
鼓の音と共にまた景色が変わった。
次は広い部屋に出た。広い部屋の端で花札のような耳飾りを着けている鬼殺隊の少年と鼓が身体中に生えている鬼が戦っていた。
鼓の鬼。まさかドンピシャで鬼のいる場所に着くとは。私ってばついてるう。
鼓の血鬼術を使ってるのはあいつか。
鼓を叩いて切り裂いたり、部屋を回転させたりして花札の耳飾りをしている少年を圧倒している。
少年も負けじと呼吸の技を使って応戦しているが苦戦しているのが目に見える。
少し観察していたら少年が私に気づいた。
「…!なんで人がここに……!ここは危ない!逃げるんだ!」
そう切迫詰まった顔で少年は叫ぶ。
獲物が目の前にいるのに逃げるわけないじゃん。
少年の制止を無視し鬼の血鬼術による攻撃を躱しながら鬼に向かっていく。
やっと、やっとこのモヤモヤした不愉快な気分とはおさらばだ。
そう思った。
「あれ…?」
大きく刀を振って鬼を切り裂いた。切り裂いたはずなのに、
何も感じない。
鬼の攻撃を躱しながら再度鬼に刀を振るう。
何度も、何度も。
遠くで耳飾りをつけた少年が「なんで君が刀を…?!」とか「頸だ!頸を狙うんだ!」とか叫んでいるけど今の私には全然少年の言葉なんか届かなかった。
なんで、なんでなんで消えないの?この不愉快な気持ちが…!
いつもみたいに満たされない。切り裂いた時の肉の切れる感覚や舞い散る血飛沫にも何にも思わない。
強い鬼を斬ればこの不愉快な気持ちが消えると思ったのに…
「なんで…」
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たぴ(プロフ) - こなみさん» どストライクなんて…!ありがとうございます(号泣)頑張って描いたんで嬉しいです!応援ありがとうございます…! (2019年10月21日 19時) (レス) id: 8bf0134465 (このIDを非表示/違反報告)
たぴ(プロフ) - カカオお豆さん» カカオお豆さん…!いつも嬉しい感想ありがとうございます!更新もりもり頑張ります! (2019年10月21日 19時) (レス) id: 8bf0134465 (このIDを非表示/違反報告)
こなみ(プロフ) - 夢主ちゃんの絵見たんですが可愛すぎて鼻血でました。ドストライクです!次の話の予告も夢主ちゃんどうなっちゃうのかめっちゃ気になってしにそうです…!陰ながらいつも応援してます!! (2019年10月21日 19時) (レス) id: 8bdb7f5122 (このIDを非表示/違反報告)
カカオお豆(プロフ) - 予告の作り方上手くないですか!?めっちゃ気になるんんンンン!!!便新頑張ってください! (2019年10月21日 18時) (レス) id: 5ddd851753 (このIDを非表示/違反報告)
たぴ(プロフ) - らにさん» わわわ嬉しい感想ありがとうございます…!一番好きだなんて嬉しすぎて泣きそうです(泣) (2019年10月19日 12時) (レス) id: 8bf0134465 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たぴ | 作成日時:2019年9月1日 11時