【鬼滅の刃】人斬り少女と蜘蛛の鬼

12、捕食 ページ12

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「ねえ累。邪魔なんだけど」

「枕は喋らないでよ」



私はほとんど毎日累の抱き枕にされている。正直いって身動きもとれないしやめてほしい。抜け出そうとしてもガッチリホールドされているため抜け出せない。

なんなのこいつ？私は枕なんかじゃないんだけど。そんなこんな考えてる内に隣から寝息が聞こえてきてキレそうになる。なんでお前だけ寝てるんだよ。
身体を動かし累と向かい合わせになる。




「累起きてる…？」




手を顔の前にひらひらさせても反応がない。よし寝てるな、抜け出そう。そう思って累の手をどかそうとしたが全然ビクともしない。なんなのこの子寝てる間もこんな力あんの？もしかして起きてる？

顔をじっと見つめるが気持ちよさそうにスヤスヤ寝ている。本当に寝てるのか。




「………」





こうまじまじ見ると本当に綺麗な顔してるな。長い睫毛に整った顔立。黙ってれば可愛いのに。スヤスヤ眠る姿は十二鬼月とかいう恐ろしい鬼になんて到底見えない。

ほっぺをつついてみればぷにぷにしていて柔らかい。斬った時は岩みたいだったのに…。鬼って不思議だなあ。とかいろいろ考えていたらなんだか眠くなってきた。

ボーとしながら累を見つめる。今はこの鬼は、累は私の兄なんだ。もう失くしたと思ってたものが手元に戻ってきたようなそんな感覚に陥る。仮初めの兄だとしてもなんだかすごく安心する。



「ふふ….お兄ちゃん…」




そう言ってギュッと抱きしめる。暖かい。本当に兄が戻ってきたみたいだ。

そんなことを思いながら眠りそうになった時、累がいきなり起き上がった。そして私の上に覆いかぶさった。いきなりのことにさすがに驚いた私は小さく累に声をかけた。


「累…？」


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