【鬼滅の刃】人斬り少女と蜘蛛の鬼

34、孤独 ページ36

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いない、いない。


どこにもいない。



「累ー！」



那田蜘蛛山に着いてから何時間探し回ってもどこにも累の姿が見えない。それ以前に蜘蛛母達家族の姿も見えなかった。


累達の家にもいったが誰もいなかった。
近くに気配も感じない。


もしかしてもう誰もこの山にはいないのだろうか。みんな私を置いてどこかへ行ってしまったのだろうか。


漠然とした不安に襲われる。

私はまた置いていかれてしまったのだろうか。


昔みたいに……





気づいたら累と最初に出会った花畑にいた。

懐かしいなあ。
あの時はまだ累と家族になるなんて思いもしなかった。


累を本当の兄のように思う日がくるなんて思いもしなかったんだ。


今更気づいたって遅い。

気づいた時にはいつも私は大切なものを失ってるんだ。

大切なものを失うのは怖いから、だからもう大切なものはつくらないって決めてたのに…



いつのまにか私の中で、累はかけがえのない存在になっていた。



また累に会いたい。会ってあの時のこと謝りたい。



もう叶わないことだけど




わたしはいつも後悔ばかりだ。


あの時だって


あの時だって、私はお兄ちゃんを助けられたかもしれないのに＿＿＿＿＿




もう何も考えたくなくて私は静かに瞼を閉じた。



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