参拾参ノ型─神宮寺、失踪 ページ38
「ここが…霊凶山だね？」
玄樹が目の前に立ちはだかる大きな山を指差し、
少しびびりながら言う
しかしびびるのも無理はない
霊凶山からは明らかにこの世の者ではない者がいる気配がするからだ
あの紫耀でさえも足をすくんでいる
「大丈夫だ、玄樹
俺がいるから」
じんはそう言って玄樹の手を握った
「神宮寺ー♡」
………じぐいわカップルは大丈夫そうだね
でも僕は…
「廉、怖いよ…」
やっぱり怖い
「そう怖がるなて
海人が死にそうになったら俺がびゅーんって助けに行ったるからな
俺は闇の呼吸の使い手やからこういう暗いとこは平気なんや！」
「ありがとう、心強いよ」
「うっし！それじゃあ行くぞー！」
岸くんがちょっと震えながら強がって叫ぶ
僕も岸くんを見習って、
たとえこの先何が待っていても
皆で行けば
怖くなんかない…！
「うん！誰一人欠けてたまるもんか！」
…………
玄樹サイド
山に入り、数分
真っ暗な山の中はかなり怖い
「神宮寺ぃ…怖いよ…
って…え？」
神宮寺に抱きつこうと隣を見ると、
さっきまで神宮寺がいたのにいなくなっていた
「神宮寺っ、神宮寺が…！」
「嘘やろ！？じん！？」
「どこ行っちゃったの！？」
皆が一斉に神宮寺が居ないことに気づく
どうしよう…神宮寺が…！
こうなったら…！
「あっ、おい玄樹！どこ行くんだよ！危ないぞ！」
紫耀が止めようとしたが、僕は暗い山の雑木林を猛スピードで駆けていった
参拾肆ノ型─玄樹に会えなくなるなんて→←参拾弐ノ型─何かが起こる
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 15人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：秋麗司 | 作成日時：2023年7月4日 18時
