弐拾玖ノ型─羨ましかったんや ページ32
海人サイド
蝶屋敷─
「玄樹ー!
って…玄樹…!?」
「あっ、海人…」
「神宮寺ぃー♡」
蝶屋敷に行って先に戦いを抜けた玄樹を見に行った
確か頭を打っていたので大丈夫かなと思ったものの…
なんかめっちゃじんとイチャイチャしてますけど!?
こんなバカップル僕ら以外で初めて見た…←自称元バカップルの人(実際はそんなバカップルじゃない)
「まあ…大丈夫そうだね
岸くん…」
「神宮寺は絶対大丈夫じゃないけどな」
「そうだ、廉!
廉は…」
「廉なら隣の部屋やって」
「わっ!大吾さん!?」
後ろからひょこっと大吾さんがやってきた
流石柱…気配なかったぞ…
「俺も今から廉の様子を見に行こうとしとったんや
一緒に行く?」
「はっ、はいっ!行きます!」
………………
「廉〜大丈夫〜?」
「見舞いに来たで〜」
僕らが病室に入ると、廉は大吾さんをみてギョッとする
そして、そのままうつむいてしまう
「廉…」
しばらく沈黙が続く
「ねえ、廉?
あの鬼の血鬼術は負の感情を増幅させる術だったんだよね
そんであの鬼はね、廉の嫉妬の感情を増幅させたって言ってたんだ
廉…何かに嫉妬してるの?」
「………………」
「答えたくないなら無理に答えなくても…」
「神楽ちゃん」
「え?」
「大吾、神楽ちゃんとイチャイチャしとったやん!
俺…神楽ちゃんのことが好きやったのに…
俺、神楽ちゃんの為に強くなったんやで?
でも…でも…
大吾ばっかり才能もあるし…モテるし…
ずっとずっと、羨ましかったんや!」
廉は大粒の涙を流す
布団が湿っていく
「そっか…そうなんやなぁ
でも廉」
「なんや?」
「神楽ちゃんは、恋人ちゃうで?」
「は?」
「神楽ちゃんは友達の妹!
友達の妹がなんか知らんけど懐いてきたから
ただちょっとのってあげようと
大好きやでぇ〜って返してあげただけやで?」
「それ…ほんまに…?」
「おん」
「嘘やろぉ…
俺そんなんでずっと大吾に嫉妬しとったんや…」
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作者名:秋麗司 | 作成日時:2023年7月4日 18時