20話:秘密 ページ22
杏寿郎の部屋から出て、誰もおらず、人の気配もしない部屋を探し、炭治郎を引きずり込んだ。
…冨岡奏子であることを言うか言わないか、迷うところではある。まあ、いずれ、義勇にも、柱の人たちにも、言おうと思っている事だから。隠していてもボロが出るだけだし。
『よし、では炭治郎、さっきの続きをどうぞ』
炭「は、はい」
引きずられてきた炭治郎は、ここはどこ私は誰状態だった←が、すぐに意識を取り戻し、話を始めた。
炭「さっき言ったことは、初めて会った時にも感じたことなんだけど、あの時にも、誰かと似ているような匂いがしたんだ。もちろん、岡田カナとしての匂いも、あった。」
炭「でも、その匂いは、なんというか、作り物めいていたんだ。本来のカナとは、また違う感じがした。カナには秘密があるんだと、お館様から聞いた。もし気が付いても内密にするようにとも。」
『…そう。』
炭「血鬼術が擬態だと聞いて、やっとピンと来た。…カナ、教えてくれないか?俺なら、力になれると思うんだ。もちろん、秘密にする。…カナは、何者なんだ…?」
『…私は、確かに岡田カナじゃない、少なくとも、本名は違う。』
…もう、話すしかないか。確か炭治郎は、義勇が世話になっていたんだっけな。
『私には弟がいるんだ。とても可愛い弟。炭治郎にも、随分世話になっていると聞いた。』
そう言いながら、狐の面を外し、顔が見やすいよう、羽織も脱いだ。血鬼術も解き、声も変わった。多分、匂いも。
炭「…!まさか…」
『気付いたみたいだね。私の本名は…冨岡。冨岡奏子。』
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炭治郎side
炭「血鬼術が擬態だと聞いて、やっとピンと来た。…カナ、教えてくれないか?俺なら、力になれると思うんだ。もちろん、秘密にする。…カナは、何者なんだ…?」
畳み掛けるように言った。カナは、意を決したような顔をして、手をスっと動かす。
『…私は、確かに岡田カナじゃない、少なくとも、本名は違う。』
狐の面の紐に手をかけながら、彼女は言う。
『私には弟がいるんだ。とても可愛い弟。炭治郎にも、随分世話になっていると聞いた。』
弟…?
何か、ちぎれていた糸が繋がったような納得感があった。
彼女の声が変わり、匂いも変わる。面の下から出てきた顔は、匂いも相まって、あの寡黙な俺たちの命の恩人と、よく似たものだった。
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じゃんみく(プロフ) - 月花月さん» 最近更新遅めになってしまっているので、近々更新します!!コメント&応援ありがとうございます! (2020年6月26日 13時) (レス) id: eec2b385f7 (このIDを非表示/違反報告)
月花月 - 続きが楽しみです、頑張って下さい (2020年6月26日 11時) (レス) id: 31b75cec07 (このIDを非表示/違反報告)
じゃんみく(プロフ) - 蒼歌さん» ありがとうございます!頑張ります!! (2020年6月6日 7時) (レス) id: eec2b385f7 (このIDを非表示/違反報告)
蒼歌(プロフ) - 続き楽しみです!更新頑張ってください! (2020年6月6日 2時) (レス) id: d00a66556b (このIDを非表示/違反報告)
じゃんみく(プロフ) - 鮭大根になりたいさん» うわあぁ、すみません、途中からお館様の「私が」が「僕」になっていました...。ご指摘ありがとうございます!!修正させて頂きました!応援ありがとうございます!頑張ります! (2020年5月25日 22時) (レス) id: eec2b385f7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:じゃんみく | 作成日時:2020年5月2日 16時