朝ご飯と家族 弐 ページ29
「Aさん！」
千寿郎くんがまた顔を真っ赤にしている。
「A、千寿郎が恥ずかしがっているぞ。
千寿郎もいい年頃だし、すぐ抱きつくのは
どうかと思うのだが。」
「ダメ？ 私一人っ子だから弟がいたら
こんな感じかなと思うと、つい嬉しくて…。」
「…っ！
あ、でも。
Aさんが、したいのであれば僕は全然！
僕も姉上が出来たみたいで嬉しいですし。」
「やった！ ありがと、千くん！
だって煉獄さん？」
千くんに抱きついたまま
煉獄さんを見ると、仕方ないなと
眉毛を下げて優しく微笑んでくれた。
「ありがとっ！」
そう言って今度は煉獄さんの隣に行って
抱きついた。
「よ！ よもやっっ！
だからっ！！ そうやってすぐ…」
食事の後、庭で煉獄さんが千くんに
竹刀で太刀打ちの練習をしていた。
洗い物を済ませて庭に行く。
「どうした？ A。」
「煉獄さんにお願いがあります！
私も鍛えてください。鬼殺隊になりたいんです！」
「？！ 平和な世界から来たのだぞ。
敢えて危険な道を選ばずとも良いのではないか。
入隊したいという意味が分からないが。」
「平和な世界から来たからこそです！
今、この世界にいる人達にも笑顔で幸せに
過ごして欲しい。 そしてこの世界で
鬼舞辻無惨や鬼と戦ってくれる鬼殺隊の人にも
誰にも死んでほしくないんです！」
昨日決めた、私はとにかくしのぶちゃんも
煉獄さんも守る！
この人達の笑顔は絶対守るんだ。
「…わかった。
でも俺の一存では決めれない。
まずお館様に相談してからだ。」
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作者名：杏 | 作成日時：2020年12月25日 6時
