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恋の始まり ページ19

「煉獄さん、お待たせしました。」


しのぶちゃんが客間の扉を開けてくれた。




着物姿の私を見て、煉獄さんどう思うかな。

孫にも衣装って思うかな。

頭を撫でてくれたけど、子供扱い
されてる気がするし。



緊張しながら中に入った。


「しのぶちゃんが着物をくれました。
あの格好だと目立つからって。
どうですか?」


煉獄さんを見たら、立ち上がり
こちらを見ている。

腕組みしていた腕が外れ
口がポカンと開いている。


「煉獄さん?」


返事はない…可笑しいのかな。
恥ずかしい、どうしよう。


「コホン、煉獄さん?
Aちゃんの着物姿どうですかぁ?
似合ってますよねぇ?」

煉獄さんの近くまで行くと
大きな声でしのぶちゃんが聞いてくれた。



「う…うむ! よ、良く似合っている。
じゃあ帰るぞ。
こ、胡蝶。世話になったな。
Aに着物も助かった。 感謝する!!」


竹籠を背中に背負うと
「では、A。 失礼する。
しっかり俺の首に腕を回しておけ。」


歩いて帰るものとばかり思っていた私は
意味がわからず???

次の瞬間、ふわりと浮いた体。
気付いたら煉獄さんにお姫様抱っこされていた。


「お、お、重いからいいよ。」

「鬼に遭遇したくないのでな。
飛ばして帰るぞ。 しかも全然重くなどないぞ?
ほら、しっかりつかまれ。」



煉獄さんの胸に抱かれてるなんて。

ハッ! 言い方がいやらしい///

ドキドキしてるのは私の胸の音?

煉獄さんも少しはドキドキしてる?



煉獄さんの顔を下から覗き込んだ。

真っ直ぐ前を見ている瞳。
あたりは暗いのに煉獄さんの瞳の中には
炎が灯っている。

睫毛も長いし、鼻筋も綺麗。



「そんなに見るな。恥ずかしい。」


チラッと私を見る。


想像以上に顔が近くて慌てて俯いた。


「ご、ごめんなさい!」

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作者名: | 作成日時:2020年12月25日 6時

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