終 ページ23
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【現代 東京】
「おーーーーい、花咲〜〜〜」
バン、と大きな音を立てて美術室の扉を開けたのは、顧問である宇髄先生。
ちら、と目線だけ動かして姿を確認した後、『なんですか。』と言ってすぐに目の前のキャンバスに目を戻した。
隣に座り込んだ宇髄先生は俺の肩に手を回し、フーセンガムを噛みながら話し始めた。
「また絵描いてんのか。昼休み始まったばっかだぞ?」
『はあ、、、。暇なので。』
「暇じゃねーだろ。飯食え飯。
そろそろあいつくる頃じゃねーの?」
宇髄先生がそういった途端。再び バン と大きな音を立てて扉が開いた。
「A!!!やっぱりここにいた!!
ごはん食べよう!!」
「お〜竈門!花咲連れてってくれ〜」
『うげ、炭治郎、、、』
やって来たのは、クラスメイトの竈門炭治郎。これがまあ、うるさいし、優しいし、連れ回すし、大変。
ずるずると炭治郎に引きずられながら、美術室を後にした。
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美術部顧問 宇髄天元は、竈門炭治郎と花咲Aを見送ったあと、Aが描いていたキャンバスを見た。
花咲A。高等部美術部所属の、絵バカである。
とんでもなく整った容姿の癖に、絵のこと以外には無関心な、所謂残念イケメンというものだ。
既に数多くのコンクールや大会で金賞をとっていることから、かなりの天才でもある。
彼のクラスメイトの炭治郎は、Aの面倒をよく見てくれていて、Aも満更でも無い様子。そんな二人を見て安心している宇髄であった。
Aの描いていた絵をみて、宇髄は微笑み、布をそっとキャンバスに被せた。
【タイトル : 幸。 花咲A】
キャンバスには、笑いあっているAと炭治郎の姿が、細かく煌びやかに、色鮮やかに描かれていた。
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大切な人の喜ぶ顔がみたいです。
大切な人の、笑顔が好きです。
ずっと前からそんな気がして。
後悔しないように、俺は絵を描き続けます。
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紅 絵 。
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終
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胡蝶有希(プロフ) - 完結おめでとうございます!!この作品大好きで、何度も読んでました!!また何かの作品でお会いできることを楽しみに待っております!!お疲れさまでした!!(^^) (6月7日 10時) (レス) @page25 id: 90be65bd07 (このIDを非表示/違反報告)
こけこっこー - 鬼滅と男主って最強じゃぁないっすか…しかも夢主超好み…更新待ってます!! (6月3日 22時) (レス) id: ad3ffaf6ef (このIDを非表示/違反報告)
ミチルンルン(プロフ) - 更新楽しみにしてます✨ (2023年4月29日 23時) (レス) @page10 id: 107ef6d634 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:成瀬 | 作成日時:2023年2月5日 18時