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絵具を持って、無一文で追い出された俺は、とりあえず近くの山へ向かった。






両親のことがすぐに知れ渡ってしまったのだ。俺自身あの町は好きではなかったし思い出もなかった為、足取りは軽かった。






俺の絵で稼いだ今までの大金は、無くなっていた。両親が変な買い物とかに使ったのだろう。別に良いけど。








それよりも






『これで、思う存分絵が描けるぞ、、、!!!』






るんるんに上機嫌だった俺は、山で色々な生き物を描いていた。






そんなある日の夜。






初めて 鬼 の姿をみた。






下級の鬼だろうか。迷い人を喰っていた。






その様子を、静かに息を潜めながら絵を描いていた。






不思議と俺のことは見つからず、何度も何度も鬼の姿を描いていた。






絵具が尽きて、自分の血で描いていたところだった。血の匂いでバレたのだろう、あっさりと鬼にやられてしまった。






雪山を必死に、駆け巡った。猛吹雪の日だった。






(死にたくない死にたくない死にたくない、まだ絵を描きたい、描いていないものがあり過ぎる)







猛吹雪のお陰で、鬼から逃げ切れた。しかし、襲われた時に左腕を失ってしまった。このままだと出血多量で死ぬだろう。







ぼふっ、と雪に倒れ込む。どんどん息が浅くなっていってた。








(いやだ、まだ、絵を描きたい、



まだ、描いてない、




俺が描きたいのは、あのひとの、)








「絵描きの噂を聞きつけてやってきたら、こんな所で死にかけているではないか。」







朦朧とする意識の中、顔をあげると真っ赤な瞳がそこにあった。






「貴様も鬼になるのだ。



そうすれば、永遠に絵を描き続けることが出来るぞ。




鬼となれば、無限の刻を生きられる。」







『絵、かける、の、、、?』







途端、ドクンと、大きく心臓が波打つのと同時に意識がなくなった。








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気がついた時には、失っていた左手は元通りになっており、右手には筆が握られていた。






辺りには、誰もいなかった。







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『おなか、すいた、』






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胡蝶有希(プロフ) - 完結おめでとうございます!!この作品大好きで、何度も読んでました!!また何かの作品でお会いできることを楽しみに待っております!!お疲れさまでした!!(^^) (6月7日 10時) (レス) @page25 id: 90be65bd07 (このIDを非表示/違反報告)
こけこっこー - 鬼滅と男主って最強じゃぁないっすか…しかも夢主超好み…更新待ってます!! (6月3日 22時) (レス) id: ad3ffaf6ef (このIDを非表示/違反報告)
ミチルンルン(プロフ) - 更新楽しみにしてます✨ (2023年4月29日 23時) (レス) @page10 id: 107ef6d634 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:成瀬 | 作成日時:2023年2月5日 18時

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