54 未知の能力 ページ9
「杏寿郎はあの時瀕死状態だったと聞いた
それが禰夜の不思議な力によって傷が塞がった と」
お館様には話した方がいいだろうか
けれど鬼だったなんて言ったらどうなるだろう
いや 言わなければならないだろう
『信じ難いかもしれませんが 私の前世は鬼でした
始まりの呼吸である日の呼吸を使う剣士が
まだ鬼舞辻無惨を追い詰める前の話です』
私は思い出したことを
お館様に話し始めた
お館様は相槌を打ちながら
私の話すことを静かに聞いてくださった
「そうか 鬼だった頃の名残か
ありえない話でもなさそうだ」
お館様は何も言わず 信じてくださった
「でもあまりその型を無闇には使わないようにね」
『はい』
まだ何もわからない
私が寝込んでいたのは多分
私の生命力を煉獄さんに分けたからだった
その分私の寿命は縮まったのではないだろうか
という憶測さえ立てられる
「うん 下がっていいよ
すっかり暗くなってしまったね」
目は見えておられないけど
時間でそう言ったのだろう
『では 失礼します』
「"雪柱"として これから頼んだよ」
『はい!』
最後まで微笑んで見送ってくださった
お館様の言う通りすっかり暗くなってしまったため
少し離れたところにある
藤の花の家紋の家に泊めてもらっていた
「ごゆっくり していってくださいませ」
藤の花の家紋の家のお婆ちゃんって
いつも思うけど 気配消してるし すごい…
なんだかこうやって一人でいるのも久しぶりだな
そう思いながら
私は一番刀身のある真菰の刀を持って庭に出た
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作者名:癒姫 | 作成日時:2019年8月13日 11時