94 毒の分解 ページ49
雛鶴は願う
少しの間だけでもいい
あの毒は数字を持たない鬼ならば
半日体を麻痺させる
下弦の鬼でさえ動きを封じる
だが そう簡単にはいかない
間髪入れず斬りかかる 三人の刃が届く寸前
再生が止まっていたはずの鬼の足は
直ぐに再生した
一瞬で毒を分解したのだ
「いやあよく効いたぜ この毒ははなあ」
──血鬼術 円斬旋回・飛び血鎌──
手を振ることも無く
両手を広げただけだった
それだけで 腕から 螺旋を描くように
広範囲に二つの斬撃が現れる
そして咄嗟に 禰夜が炭治郎に突撃するように
飛びついた
間一髪で斬撃を避け
すぐに宇髄の攻撃が放たれる
──音の呼吸 肆ノ型 響斬無間──
斬撃を防ぐ数回に及ぶ輪状となった宇髄の斬撃
その度に爆裂する斬撃と斬撃
それと同時 禰夜が炭治郎と共に飛び込んだ場所で
ゴン と落ちる音がする
妓夫太郎と宇髄の斬撃がぶつかったのは
禰夜が避けたその一瞬の出来事だった
炭治郎は口を開こうとするが
斬撃が消えた瞬間
宇髄の目の前には妓夫太郎はいない
そして三人は気づく
屋根の上からクナイを飛ばした
雛鶴の元へ向かっていると
「雛…」
助けに行こうとする三人を無数の帯が阻む
「天元様 私に構わず鬼を捜してくだ…」
その刹那
雛鶴の口は妓夫太郎の手によって塞がれていた
「よくもやってくれたなああ
俺はお前に構うからなああ」
「雛鶴──っ!!!」
宇髄の声が響き渡った
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作者名:癒姫 | 作成日時:2019年8月13日 11時