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49 ただいま ページ4

気がつくとそこは蝶屋敷


『ふ、あ?』

「禰夜ちゃん!!!!」


耳を劈くような声


『うる、さい…』


見れば我妻くんがボロボロと涙を零しながら

私を覗き込んでいた


どうしてそんなに泣いてるの

私はあなたと仲が良いわけじゃないのに


「うわぁぁぁあ もう起きないかと思ったよぉぉ!!

炭治郎ぉぉぉ!!!禰夜ちゃん起きたよぉ!!」


気づけば私が寝ていたベッドに

伏せたまま寝ていた炭治郎を

揺すって起こしていた


「ん… っ! 禰夜!!!」


そう言って私の肩を掴んで

綺麗な赤から 涙をポロポロと流していた


『煉獄さんは… 生きてる?』

「あぁ 生きてるぞ!禰夜のおかげだ」


泣きながら 元気にそう言う炭治郎

そっか そっかぁ

良かった 救えたんだ


まともに戦うことのできなかった私は

役立たずだったけど

煉獄さんを救うことができたんだ


下を向くと 横髪がはらりと落ちてくる

あれ 髪の色が…

毛先だけだった白藍色が

横髪全部白藍色になっていた


『髪が… もしかして全部こう?』


炭治郎は泣いてるし

ギャンギャンうるさい我妻くんに聞けば

鏡を見せてくれた


すると全部変わってないにしろ

毛先だけがメッシュで白藍色だったところは

根元まで白藍になって

本格的にメッシュになっていた


前より気味が悪い…


「俺は綺麗だと思うよ!その髪」


我妻くんは私が思ってることがわかったのか

そう言ってくれた


『…ありがとう』


「禰夜 心配したんだぞ

もうこのまま起きないんじゃないかと思ったぞ」


炭治郎の優しさについ聞いてしまう


『どうして… 私を許そうとするの』


「俺は怒ってない

禰夜は生きててくれた

それだけで充分なんだ」


『…炭治郎は 変わらないね』


そう 昔からこうだった


私の頰にはいつしか涙が伝っていた


やっぱり炭治郎の周りにいると人は変わる

それはいつものことだった

私があんなにも泣いたのは

きっと炭治郎がそばにいたからだ


あんなにも感情的になったのは

炭治郎がいたからだ


煉獄さんを救うことができたのも


『炭治郎 ありがとう

炭治郎のおかげで煉獄さんを

救うことができたんだ』


「俺はなにも…」


『炭治郎が 私を変えたんだ

感情的になったのは炭治郎がいたからだよ

ありがとう 炭治郎』


上手く笑えてるだろうか



炭治郎みたいに 禰豆子みたいに

上手く笑えてるだろうか





ただいま 炭治郎


おかえり 私

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作者名:癒姫 | 作成日時:2019年8月13日 11時

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