71 祭りの神と山の王 ページ27
宇髄さんと私についてくる炭治郎たち
「で？どこ行くんだ オッさん」
口を開いたのは嘴平くんだった
「日本一 色と欲に塗れたド派手な場所」
「「？」」「…」
天然二人とポカンとする我妻くん
「鬼の棲む"遊郭"だよ」
「！ そんなところに禰夜を連れていくのか！」
『炭治郎 任務だから』
「いやそれでもダメだ！」
『いやダメだじゃなくてだな』
全く この長男は
「いいか？俺は神だ！お前らは塵だ！」
と色々思っていると遮ったのは宇髄さんだった
何言っているんだ…
「まず最初はそれをしっかりと頭に叩き込め！！
ねじ込め！！
俺が犬になれと言ったら犬になり
猿になれと言ったら猿になれ！！
猫背で揉み手をしながら
俺の機嫌を常に伺い全身全霊でへつらうのだ
そしてもう一度言う
俺は神だ！！」
キラキラと決めポーズを取る宇髄さん
我妻くんが悟ったみたいだった
やばい奴だ… と
その時 炭治郎が凄い勢いで手を挙げる
「具体的には何を司る神ですか？」
え…
大真面目な顔して聞かないで
長男だよね あなた！
天然なのは前からだけどそこはちゃんとしようよ？
我妻くんも凄い顔してるからさ…
「いい質問だ お前は見込みがある」
いやないよ
お願いだから誰かこれ止めて
「派手を司る神… 祭りの神だ」
アホを司ってるのではないだろうか！
「俺は山の王だ よろしくな 祭りの神」
嘴平くんはなんとなくわかるよ うん
「何言ってんだ お前… 気持ち悪い奴だな」
いやお前だろ！？
引くところ違くない？
『我妻くん どうしよう
この人どうしようもないアホだ』
「禰夜ちゃん どうにかしてよ
同じ柱でしょっ！？」
『いや すまない あれは無理だ』
「えぇ…」
柱でも無理なものは無理だ
ほら 柱ってみんな変わり者だから…
ギャーギャー騒いでいたのは収まって
任務の話となる
「花街までの道のりの道中に藤の家があるから
そこで準備を整える 付いて来い」
『宇髄さん 速いから置いてかれないように』
その瞬間 宇髄さんは
フッ と静かに消えていた
私も地を蹴って隣を走る
後ろではなんだか穏やかな会話と
焦る我妻くんの声が聞こえた
『宇髄さん
あの三人連れて行ってどうするんですか』
「まあどうにでもなるだろ」
いや無計画なんですか…
はぁ…
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作者名：癒姫 | 作成日時：2019年8月13日 11時
