69 人攫い ページ25
あーもう 宇髄さん
勝手に一人で先に行かないでほしい
宇髄さんを追いかけてやってきたのは蝶屋敷だった
庭はなんだか 騒がしい
宇髄さんの姿が見えたかと思えば
塀の上にアオイちゃんとなほちゃんを
抱えてしゃがんでいた
それに
「お前を柱とは認めない！！むん！！」
炭治郎の声
なんだか また嫌な予感…
「むんじゃねーよ！！
お前が認めないから何なんだよ！？
こんの下っぱが！！脳味噌爆発してるのか！？
俺は任務で女の隊員が要るから
コイツら連れて行くんだよ！！」
継子じゃない奴はしのぶさんに
許可取る必要はないって
それ 関係ないんじゃ…
「なほちゃんは隊員じゃないです！！
隊服着てないでしょ！！」
きよちゃんがそう言った瞬間
「じゃあ いらね」
そう言ってなほちゃんを放り投げた
すぐに地を蹴って
なほちゃんを受け止めて庭に着地した
「禰夜！」
炭治郎が横で声を上げる
『どこ行くかも言わず勝手に行かないでください！
宇髄さん！』
「あ？何で着いてくんだよ！」
『私もこの任務参加するんです
奥さんからの連絡が途絶えたからって
焦りすぎです！』
「あ？なんだと！？任務だよ アホか！」
「わーん 落とされましたぁ」
なほちゃんは私の腕の中で泣いている
「何てことするんだ人でなし！！」
炭治郎 すごく怒ってるよ
女の子投げるとかありえない
「とりあえずコイツは任務に連れて行く
役に立ちそうもねぇがこんなのでも
一応隊員だしな」
アオイちゃんはダメだ
何で胡蝶家に来たかな 宇髄さんは！
「人には人の事情があるんだから無
神経に色々つつき回さないでいただきたい！！
アオイさんを返せ！！」
「ぬるい ゆるいねぇ
このようなザマで地味にぐだぐだしているから
鬼殺隊は弱くなってゆくんだろうな」
『そんな言い方はない！
宇髄さんこそ派手派手って周りのことが
考えられないのか！』
「禰夜…」
炭治郎はなぜ横で感動してるんだ
「言うようになったじゃねぇか！
煉獄の奴を助けたからって
ちと調子に乗ってるんじゃねぇか？」
『…調子に乗れるわけがないだろう！
あの時もっと自分が動けていれば
煉獄さんは今でも柱を
続けていられたかもしれないんだ！』
パキパキを音を立てて
足元が凍っていくのがわかった
「そうかよ」
興味無さそうに へっ と笑う宇髄さん
私は笑われようが自分の思ったように生きるよ
ねえ 炭治郎
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作者名：癒姫 | 作成日時：2019年8月13日 11時
