47 雪姫 ページ2
「どうして 人間を助ける」
目の前の男は私にそう問いかける
『目の前で命が失くなるのは嫌なのです』
その赤い鋭い目は
白藍色の艶のある髪と宝石のような瞳をもつ少女を
映していた
呪いにかけられなかった唯一の存在
それが私 雪姫 だった
そう 目の前にいるのは 鬼舞辻無惨
私は人を一度も喰べていない
どうして生きているのか
それは鬼舞辻に生かされているからだった
私はこの鬼が嫌いだ
私は鬼になりたかったわけじゃない
気づいたら鬼にされていたのだ
珍しい血鬼術が使える私は生かされていた
それも"自由"に
人を喰わずに 生きられるほど 気に入られていた
いつかお前は必要になる
それまで 生かしておく
そう言われていた
「まあいい」
私はこの鬼を裏切りたかった
絶望する顔をさせたかった
とにかく 嫌いだった
思ってることもなにもかも読み取られてる
なのに私は殺されなかった
死ぬことを許されなかった
私は人を救い続けた
どれだけ人に忌み嫌われようと
憎しみは生まれなかった
私が憎んだのは 鬼舞辻無惨だけだった
そして 自由に行動をする中で出会った
唯一の希望に
私を殺すことができるであろう"鬼狩り"に
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作者名:癒姫 | 作成日時:2019年8月13日 11時