鬼の瞳隠して人の瞳隠さず

陸話 ページ7

...凰牙視点...





鬼狩りの女に言われて思い出したのは最愛の妹、若菜の笑顔だった





若菜は小さい頃から俺のことを後ろからついて来ていた




どんな時でも離れなくて、ずっと傍にいた






俺もずっと若菜と一瞬にいるんだと思っていた





だけど...そんなある日




若「私...好きな人とお付き合いすることになったの」




若菜からそう言われた






許せなかった







若菜の傍にいるのは兄である俺なのに...









だから






俺は




.





.




若菜の恋人を






.






.









殺した









罪悪感なんて無かった







俺が若菜の恋人を殺したことが町に広まり、若菜にも知られてしまった








俺は若菜が俺とずっと一緒にいられるように彼奴を殺したのに...





若「酷いっ！いくら何でも、こっ...殺すなんて...！！嫌い！お兄ちゃんなんか大っ嫌い！」








"嫌い"






そい言われて俺の視界は真っ暗になった





何も感じなかった






その日の夜、警官が俺の所に来た




警「お前が人殺しだな」




だけど次の瞬間、





警官は死んでいた









？「可哀想に。最愛の妹まで君のことを嫌った。それでもお前は人間のまま生きるのか？」






そして俺は、



鬼になった








あのお方(・・・・)から分け与えてもらった血の量が多かったからか俺は直ぐに血鬼術が使えた







そのまま、色々な場所で人間を襲い、喰らった







１年経ってまた、自分の故郷に帰って来た





１年ぶりに見た若菜は綺麗になっていた









早く会いたい








早く話したい






早く







.






食べたい









そう思った







だけど最近、ここら辺を調査している鬼狩りの情報が耳に入った






だからここら辺を拠点としている鬼を騙し味方につけ、若菜を食べることにした







若「！！お...お兄ちゃんっ！？嫌だ！来ないで！誰かッ助けて！！イヤッ...」








それからゆっくり食べていく予定だった






鬼「あ"？あの餓鬼？彼奴ならもう喰っちまったよ」






なのに





また僕の邪魔をする







殺さないと






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大正コソコソ噂話

凰牙はまだ鬼になって１年と数ヶ月しか経っていません。それでも１年だけで何人もの人間を喰らったそうです。

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