鬼の瞳隠して人の瞳隠さず

参話 ページ4

...A視点...



この人...

鬼に若菜さんが食われたところを見ている...




『若菜さんを殺した怪物の特徴を覚えていますか？』

拓「ああ！頭から角のような物が２本生えていた！金色の髪で大きな男だった...それから...ッ...！」



若菜さんの事を思い出したのか、そのまま黙ってしまった



『思い出させてしまってすいません。必ず若菜さんの仇を討ちます。』



＿＿＿＿＿＿
＿＿＿＿
＿＿





『...ここら辺から気配を感じる』



私が辿り着いたのは、ある小さな小屋だった



拓也さんは一度家に帰るように指示した


一般人を巻き込みたくない




そのまま私はその小屋に入って行った



入って私の瞳に映ったのは"鬼"だった





鬼「あ"？なんだテメェ？」





口の周りにはベットリと誰かの血が付いていた



周りには人間の腕が散乱していた





鬼「お前...鬼狩りか？なら丁度いい。お前喰ってやろう...！」





鬼はゆっくりと此方を見ながらそう言った





『貴方は決して許されない罪を犯した』









鬼「だったらなんだよぉッ！！！」




鬼は勢いよく、私に飛びかかってきた







＜鬼の呼吸 壱ノ型 血気梅雨(けっきばいう) ＞




私の赤と黒が混ざった日輪刀が鈍く光る



刀を思いっきり振りかざす




そしてゴロン、と鬼の頭が地面に落ちた



体が段々塵になって消えていく


「なんでテメェみたいなヤツに俺が...！！オイ！どういう事だよ！話が違うじゃねぇか！！オイ！凰がっ」



着物だけが残りあとは全部消えてしまった





拓「あのぉ...大丈夫ですか？」




声がした方に目を向けると、そこには拓也さんがいた




『...』



拓「すみません...心配になってつい来ちゃいました...でも！あの怪物は殺したんですよね！ありがとうございます！これで若菜はきっと安心して天国に行けます...！！」




涙を流し何度も拓也さんは頭を下げた



私は手に刀を持ったまま、拓也さんに話しかけた




『...拓也さん...』








『... 人間は...美味しかったですか？』



＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿

大正コソコソ噂話

"鬼の呼吸 壱の型 血気梅雨"は梅雨の期間が長いのと同じで斬った後も鬼には長い間痛みが続きます

肆話→←弐話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す