鬼の瞳隠して人の瞳隠さず

拾参話 ページ14

...A視点...




子供の鬼の体はどんどん塵になっていく




子供の鬼は最後に「でも...山ほど人を殺した僕は...地獄に行くよね...父さんと母さんと...同じところへは...いけないよね...」と呟き消えていった





家族にことを思い出したのだろうか







そして鬼を庇っている少年の元に冨岡さんは歩き出した






少年の目の前で冨岡さんは止まった




冨岡さんの足元には先程消えていった子供の鬼の着物がある





冨「人を喰った鬼に情けをかけるな。子供の姿をしていても関係ない。何十年何百年生きている醜い化け物だ」





冨岡さんは少年を見降ろしながらそう言った







？「殺された人たちの無念を晴らすため、これ以上被害者を出さないため...勿論俺は容赦なく鬼の頸に刃を振るいます」





その少年の瞳には確かに鬼への怒りが宿っていた




それでも鬼に情けをかけるのね...





？「...だけど鬼にであることに苦しみ、自らの行いを悔いている者を踏みつけにはしない」





冨岡さんは顔をしかめていた




？「鬼は人間だったんだから。俺と同じ人間だったんだから」




？「足をどけてください。




醜い化け物なんかじゃない。







鬼は虚しい生き物だ。悲しい生き物だ」






彼の言葉が酷く私の胸に刺さった





『...』









冨岡さんは少しの間黙ったと思えば、少年と鬼の少女を見て大きく目を見開いた








冨「お前は...」




私は冨岡さんの傍に寄り『...知り合いですか？』と聞いた






でも冨岡さんからの答えが返ってくるよりも先にガキィンッと刀と刀がぶつかり合う音がした







し「あら？どうして邪魔するんです？冨岡さん」






しのぶさんがいきなり鬼の少女に向かって刀を振り下ろしたのだ





そして冨岡さんがそれを刀で弾いた




しのぶさんは綺麗に地面に着地し、冨岡さんは少年たちを庇うように前に立ちはだかり刀を構えた





私も冨岡さん同様、少年の前に刀を構えて立ちはだかった


この二人にも何か事情があるのだろう



それに...



何かこの二人は違う気がする





ただの勘だけど...





なら少し自分の勘を信じてみよう



し「鬼とは仲良くできないって言ってたくせに何なんでしょうか。



そんなんだから、みんなに嫌われるんですよ」

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大正コソコソ噂話

Aの鎹鴉のトキワはオスの鴉です。

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