123 強くなるため ページ31
部屋を回り 不死川弟を探していたが見つからない
そんな時 後ろから隠の人が走ってきていた
「甘露寺様 竈門様
間もなく刀が研ぎ終わるそうです
最後の調整のため工房の方へ来ていただく…」
私と蜜璃さんは刀のメンテナンスのために
ここに来ていたため そろそろ時間のようだった
「あらー もう行かなきゃいけないみたい」
残念そうに呟く蜜璃さん
「気になさらず!お見送りします」
「いいのよ 多分深夜発つことになるから」
「いや でも そうですか… うーん」
『本当に 大丈夫だから 炭治郎はゆっくり休んで』
私の言葉に押し黙る
「炭治郎君」
蜜璃さんは微笑んで炭治郎に言う
「今度また 生きて会えるかわからないけど
頑張りましょうね」
なんでそんなこと言うんですか
蜜璃さん強いから
上弦の鬼でも無傷で戦いそうですよ あなた
「あなたは上弦の鬼と戦って生き残った
これは凄い経験よ 実際に体感して得たものは
これ以上ない程価値がある 五年分 十年分の
修業に匹敵する 今の炭治郎君は前よりももっと
ずっと強くなってる」
しゃがんで 禰豆子を撫でながらそんなことを言う
立ち上がったかと思うと
ニコッ と笑顔になる
「甘露寺蜜璃は竈門兄妹を応援してるよ〜
もちろん 禰夜ちゃんも含めてね!」
蜜璃さん…
「ありがとうございます でもまだまだです 俺は
宇髄さんと禰夜に"勝たせてもらった"だけですから
もっともっと頑張ります
鬼舞辻無惨に勝つために!」
そんな炭治郎を見て 本当に変わらないな と思う
隣で キュン と聞こえたのは無視しておこう
「炭治郎くんは長く滞在する許可が
出てるのよね?」
もじもじとしながら蜜璃さんは
炭治郎にコソッと話しかける
「あっ ハイ 一応は…」
ちらっと隠の人の様子を窺うと
周りには聞こえないように炭治郎に近づく
「この里には強くなるための
秘密の武器があるらしいの 探してみてね」
ヒソヒソと耳元でそう言うとすぐに離れて
隠の人の方へ走っていく
『あ 蜜璃さん 待って』
慌てて私もついて行くと
急に止まり振り返る
「じゃあね!」
『兄ちゃん また!』
蜜璃さんに急接近されて
身動きが取れなくなってしまった炭治郎は
きっと今頃鼻血でも出しているだろう
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作者名:癒姫 | 作成日時:2019年8月24日 12時