、37 ページ6
、
、
「兄さん!」
己を呼ぶ声にハッとして目を開ける。
視界いっぱいに、心配そうな弟の顔をとらえた。
「、、、あ、れ、」
「よかった、ずっとうなされていたから、、」
たしか俺は、無惨と戦っていたような、、、
「もうすぐ朝食が出来るって、母上が呼んでいたよ。早く行こう!」
可愛らしい笑みでそう言う弟に、「ああ、」と小さく返事をして体を起こす。
不思議なことに、体の痛みは何も無く、体が弱くて寝込んでいたとは思えないほど快調であった。
(( これは、夢?それとも、昔の記憶、、?
俺はもう死んだのか、、、?))
ぐるぐると色んな思考が頭の中を駆け巡る中、ひとつ確信した事があった。
こいつは弟であり、弟ではない。
これは夢だ、早く起きないといけない。
「ごめん、行かないと。」
立ち上がり、懐かしい弟の頭を撫でて部屋の襖を開けた。
「そんな、、兄さん!!
兄さんはもう十分頑張った!休んでいいんだよ、一緒にごはん食べようよ。」
俺と同じ、紅い大きな瞳に涙を浮かべながら弟は言った。
「ごめんね、でも俺は、まだ頑張らなきゃだめなんだ。
あいつを倒すまでは、休む訳にはいかない。
それに、いつものお前ならそんな甘ったれたこと言わないだろ?」
ふ、と薄く笑みを浮かべてそう言うと、弟は涙を引っ込めて、いつも俺に向けていた、鋭い目つきになり笑って
「、、、ハッ、兄さんは弱いから休ませようとしたのに。
絶対、倒してこいよ。」
俺の背中を押した。
「ありがとう、直ぐにそっちに行く。」
、
、
「、、の、、、がの、、、氷鉋!!!」
意識が朦朧としつつも、目を開けるとたくさんの隠の人達にかこまれていた。
「氷柱様意識を取り戻したぞ!!」
「氷鉋、大丈夫か、立てるか」
見慣れない、大きなつり目の隊員にそう言われ、小さく頷く。
「頼む、あと少しだ、無惨を倒してくれ。」
その言葉をきき、深く頷き、刀を握りしめた。
、
、
430人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まし(プロフ) - 素敵な物語でした!! (2022年6月16日 1時) (レス) id: f16da9e902 (このIDを非表示/違反報告)
成瀬(プロフ) - 腐腐腐さん» コメントありがとうございます!更新頑張ります(*´˘`*) (2021年10月8日 10時) (レス) id: a57550cc67 (このIDを非表示/違反報告)
腐腐腐 - めっさ好きです!続き楽しみに待ってます! (2021年10月6日 18時) (レス) @page1 id: c7cac8184e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:成瀬 | 作成日時:2021年10月5日 0時