お前、自分が可愛いって知ってんのか？【鬼滅の刃】

47 笑事 ページ8

不死川実弥side




『…で、どーすんだァ？死ぬのか？』

A「……死ねません。お館様が許してくれませんでしたから」

『はっ…だろォよ』



逆に何でコイツは許してもらえると思ってたんだよ。



と思いながら、くしゃくしゃと雪代の頭を撫でた。



今は、お館様の屋敷を出て、雪代を水柱の屋敷へと連れて帰る途中。





…そして何故だか雪代は俺の顔を凝視している。


翡翠の瞳が、じっと俺を見つめ何か言いたげな表情をする。



『…何見てんだ』

A「あ、いえ。何も」




そう言って下を向いた雪代は、きゅっと俺の服の裾を掴んだ。


………何してんだ、こいつ。




A「その…一緒に来てくれてありがとうございました」




小さな声で少し照れているような言い方をした雪代は、ぱっと手を離して先を歩き始める。






………は？


可愛いかよ。






って、俺、何考えてんだ。







アイツが女で何故かほっとしたのは覚えてる。




俺は男が好きなのかと…。


……待てよ。


俺、アイツが好きなのか？







『…何考えてんだ、んなわけあるはずが』


A「不死川さぁん！！早く早く！！あ、そうだ、お昼食べていってくださいよ〜！！」





ニコニコ笑いながら俺に手を振る雪代に、どきりと心臓が音を立てて暴れ始める。





『…そんな馬鹿な』






あァ、気づいちまった。



この胸の痛みの理由に。

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