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72 最悪の日 ページ33

不死川実弥side



『…?』



ばっとAが、俺の腕を掴んだ。

顔を見るが、寝ている。


無意識…か?



窓の外を見れば、日が暮れている。


…いつのまに。





ふと、顔を見ると、その顔はなぜか苦しそうに歪められていて、みるみるうちに汗をかき始めた。


なんだ、この大量の汗…。



胡蝶も異変に気がついたらしく、布で汗を拭き始める。




『何だ。何が起こってる』

しのぶ「わかりません。ただ、Aさんが何か夢を見ているようですね…」



Aの手を握っていると、ふと異変を感じる。



…コイツの手。こんなに大きかったか?


頭から足までじっくりと見て目を張る。



体が大きくなってやがる。




A「…っ」

しのぶ「Aさん?気がついたんですね!」

『A…!』




Aの目が開き、起き上がったAの顔を覗き込む。

その目は俺たちを捉えた。




A「…なぜ人間がここに?」

『………は?』

A「薬品の匂い…私は人間に治療されていたのか?…はぁ、鬼がなんて面目ない。無惨様に叱られてしまう」




無惨様に叱られてしまう?



何を言ってんだァ、こいつは。




しのぶ「Aさ…」

A「…A?私はそんな名前ではない、時雨だ」




そう言いながらベッドから降りたAの背は伸び、俺とそう変わらない。

そして俺たちを品定めするように眺めた。



A「ふむ…どうやら、鬼狩りの柱と見受けるが…私の治療をしてくれたようだから見逃してやろう」

『見逃す…?どういうことだァ…テメェも鬼殺隊だろうが!!』

A「…人間だった頃の知り合いか。すまないが、人間なんて弱い生き物やめたんだ」

『何…だと……?』

A「努力なんて無駄なことばかりする人間の気が知れない。鬼になれば努力などせずとも強くなれるというのに」



何言ってんだよ…。


テメェ。


毎日毎日アホになるくらいまで稽古するやつだったじゃねぇか。


強くなりたいんだって言ってたじゃねぇか。




『Aよぉ…忘れちまったって言うのか?胡蝶のことも俺のことも』

A「その名前で呼ぶな!知らんものは知らん!!」

しのぶ「Aさん!!」

『胡蝶!柱に伝令を!』




窓から外に飛び出るAを追いかける。

Aは庭で俺を待っていた。




A「刀を抜け、鬼狩り。私が殺してやろう」




暗闇に光る赤い瞳。



鬼がそこにはいた。

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ななな(プロフ) - はじめまして!煉獄さん好きでこちらにたどり着きました!不死川さんかっこいい!現世の前の最後の所で煉獄さん出てきて熱くなりました。ありがとうございます!素敵なお話が読めて感動しました。 (2020年12月18日 20時) (レス) id: 2b8106d85d (このIDを非表示/違反報告)
ももすけ - 最後感動して涙が…うぅ…!とても面白かったです! (2020年6月24日 22時) (レス) id: 016e27544d (このIDを非表示/違反報告)
shiba(プロフ) - 宙さん» ありがとうございます!まだそれは考えてないので、機会があれば是非笑 (2020年6月21日 9時) (レス) id: 45bc59818c (このIDを非表示/違反報告)
shiba(プロフ) - 白露さん» ありがとうございます笑でも普通の人間です笑 (2020年6月21日 9時) (レス) id: 45bc59818c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - え?なにこれ!鬼滅学園編見たくなってくる(°д°) (2020年6月19日 21時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shiba | 作成日時:2020年6月4日 18時

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