お前、自分が可愛いって知ってんのか？【鬼滅の刃】

55 鬼を喰らう者 ページ16

『ゲンー！！今日も滝行いこ…う？』





今日もいつも通りに屋敷に足を踏み入れた。


だが、すぐに異変を感じて、走る。




鬼になったからか、仲間の匂いがよくわかる。



この匂いは…鬼。



玄弥匂いと同じところ！？



襖を開けてその中の光景を見て、私は目を見張った。




『げん…や……？』



中にいた玄弥は、口の周りが赤く汚れ、目が鬼のようになっていた。

口元の血は…鬼の血。




玄弥「…ユキ…！？見るな！！」

『っ！』



部屋の物を投げつけて私の視界を遮ろうとするのを避けながら玄弥に近づき、その口元を拭う。



玄弥「なに…して…」

『それはこっちの台詞だ！！なんで鬼なんか食べてるんだ玄弥！！答えろ！！』

玄弥「それは…言っただろ！俺は呼吸が使えねェんだ！！鬼に勝つには…鬼を食うしか…！！」

『玄弥…』



徐々に人間に戻り始めた玄弥によると、殺されかけて鬼を食べたところ、見事に消化し一時的に鬼の力を得ることができるそうだ。




玄弥「俺は大切なもん守るためなら、この力を使ってでも守る」



そういった玄弥は、とても意志の強い瞳を私に向けた。



『…そう。分かった。……ゲンはゲンだもんな』

玄弥「…A。…っ…A！！」

『うおっ！？げ、ゲン！？』




私はむぎゅっと玄弥に抱きしめられる。

てかさらっと名前で呼ばれたような。



玄弥「お前は俺の最高の…最高の友達だ！A」

『……玄弥』




その言葉が嬉しくて。


私は玄弥を抱きしめかえした。

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