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50 西瓜 ページ11

『わぁ…大きな西瓜』

行冥「…食べるか?」

『え…いいんですか!?』

行冥「嗚呼」

『ありがとうございますっ!!』



私は悲鳴嶼さんが持っている大きなスイカに釘付けである。

体は滝に打たれたおかげで水にぐっしょりと濡れていて、布で体を拭きながら悲鳴嶼さんが西瓜を切るのを見守る。





今日私はここに、稽古をつけてもらいに来ている。





不死川さんが長期任務で、炭治郎たちも宇髄さんと任務に出てしまったのだ。

義勇さんも錆兎さんもだ。



いつ鬼化してしまうかわからない私は、少しの間自宅待機を命じられており、簡単に言うと 暇 なのだ。



だから、今日は稽古をつけてもらいにきた。




行冥「これを、玄弥に渡して来てくれ…庭にいる」



手渡された皿の上には大きく切り分けられた西瓜が、美味しそうに盛り付けられている。


…美味しそう。


かぶりつきたくなるのを抑えて、私は言われた通り玄弥と言う人に渡すために庭へと向かう。




『…え、不死川さん…?』

??「…?」



一瞬、庭に立つ青年が不死川さんに見えた。


声が漏れていたようで、私の声に反応したその人は、振り返り私を見た。


目とか鼻とか…すごい似てる。





『あ、君が玄弥かな?あの、これ、悲鳴嶼さんが』

玄弥「…西瓜」





私が西瓜を渡すと、小さくお礼を言って縁側に座って食べ始めた。


なんとなく私はその食べっぷりの良さを見てしまう。




玄弥「…何見てんだ」

『…いや、食べっぷりいいなぁと』

玄弥「何だよそれ…てか、テメェ、目ェ」




ガシッと顔を掴まれ、顔を覗き込まれる。





おい、その手、さっきまで西瓜触ってた手だろ!?

西瓜の匂いが…て、近……っ!



思っていたよりも近い距離に、どくんと心臓が音を立て始める。




玄弥「…テメェが噂の鬼剣士か」

『…っ。気持ち悪いだろ、こんな目。上弦の零なんてかかれてて』




私のその言葉に、玄弥がじっと私の顔を見て、ハッと鼻で笑った。



玄弥「んなこと言ってたら俺の顔の方がヤベェだろ。傷だらけで目つきも悪りィ」



そう言いながら顔の傷を指差す玄弥は、ニッと笑った。

そんな玄弥の顔の傷に触れながら、私は口を開く。




『……そう、かな。俺は、この顔の傷も鋭い目つきも、好きだよ』

玄弥「……っ。そんなこと…初めて言われた」



少し俯いて、恥ずかしそうにする玄弥は、不死川さんそっくりだ。



…不死川さん、早く帰ってこないかな。

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ななな(プロフ) - はじめまして!煉獄さん好きでこちらにたどり着きました!不死川さんかっこいい!現世の前の最後の所で煉獄さん出てきて熱くなりました。ありがとうございます!素敵なお話が読めて感動しました。 (2020年12月18日 20時) (レス) id: 2b8106d85d (このIDを非表示/違反報告)
ももすけ - 最後感動して涙が…うぅ…!とても面白かったです! (2020年6月24日 22時) (レス) id: 016e27544d (このIDを非表示/違反報告)
shiba(プロフ) - 宙さん» ありがとうございます!まだそれは考えてないので、機会があれば是非笑 (2020年6月21日 9時) (レス) id: 45bc59818c (このIDを非表示/違反報告)
shiba(プロフ) - 白露さん» ありがとうございます笑でも普通の人間です笑 (2020年6月21日 9時) (レス) id: 45bc59818c (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - え?なにこれ!鬼滅学園編見たくなってくる(°д°) (2020年6月19日 21時) (レス) id: a1083db659 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shiba | 作成日時:2020年6月4日 18時

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