2 怒り ページ3
『ぁ…』
ボスっ と音を立てて私は積もる雪に倒れこんだ
というよりも足がもつれた
どれくらい走っただろう
わからない
涙も枯れた
あの光景が頭から離れなくて
吐き気が治らない
『ぅ… ぅわっ…… ぁ゙あ゙あ゙あ゙…ぅ゙あ゙…』
母さん…っ
竹雄… 茂… 六太… 花子…
禰豆子っ…
ごめん… ごめんなさいっ…
どれくらい走って
どれくらいこうしてたのかな
辺りは薄暗くなって
夜が明けようとしていた
「おい」
仰向けになれば
そこにはきっちりとした服を着て
刀を腰に携えた男の人が立っていた
『ぅ゙あ゙…』
「大丈夫か 息をしろ」
あぁ よくわからない
私は息をしてないのか
「おい」
このまま 息が止まってしまえば…
そんなこと
…そんなことっ
誰だ 家族をめちゃくちゃにした奴はっ
あれは… 鬼だ
人喰い鬼だ
お婆ちゃんがいつか言ってた
あれは人喰い鬼だっ
許さない 許さないっ
体が熱い なんだろう
体が燃えるように熱くて
血が身体中に巡っていくのがわかる
あぁ なんだろうな これ
今ならなんだってできそうだ
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作者名:癒姫 | 作成日時:2019年8月2日 3時