【鬼滅の刃】愛及屋烏 【短編集】

【 山の王様 】嘴平伊之助 <かまぼこ様ﾘｸｴｽﾄｯ ページ9

かまぼこ様リクエスト

嘴平伊之助

ー 山に捨てられた主人公と、次第に仲良くなる山の王様

画像は、Picrewで作りました。楽しすぎか。

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捨てられた。




そう気付いたのは、夕刻を過ぎた時。




山菜を採りに行くから、とカゴを持たされ、両親と共にこの山にやってきて数時間。




すぐ後ろを歩いていた両親がいなくなったのに気付いたのは、数分後だった。




変だと思ったんだ。




山菜を採りに行くにしても、こんな遅くから取りに行くなんて。




でも、私は、従順でなければいけなかった。




従順でなければ、捨てられるから。




でも、その苦労も、無駄だった。





『…ぅ…』





涙が溢れてで来る。




何がいけなくて、私は捨てられなければいけなかったのか。




間違ったことはしてなかったはずだ。




ちゃんと、従順でいた。




泣かなかった。





｢お前、何してるんだ俺の縄張りで｣




『…え？』





声が聞こえた。




後ろを振り向くと、人間の体に、猪の頭をした生物が立っていた。




猪、と思ったけれど、頭の猪は唯の皮だったらしい。





伊之助｢さてはお前、俺の縄張りを奪いに来たやつだな。力づくで奪ってみやがれ！｣





猪突猛進！！と大きな声をあげて、猪の彼はこちらに突進してくる。





『ヒィイッ！？』





寸での所で、なんとか横に転がり込むと、彼は勢いよく木に当たった。





『！だ、大丈夫ですか！？』




伊之助｢ぅ…う…ウォオオオオッ！｣




『ッ！？ヒャアアアアッ！！！？』





地獄の鬼ごっこが始まった。

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