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『あの、本当に良かったんですか?』


今、炭治郎の案で散歩に行ってくるといいと言われ、善逸と蝶屋敷の周りを散歩している。


アオイちゃんには、身体に異変があればすぐに戻ることと、あまり遠くに行き過ぎないこと、トラブルがあれば善逸さんにまかせ、自分は逃げること、あまり走ったりし過ぎないことなど、数え切れないくらい条件を出された。


優しいなぁ...


善逸「あの、Aちゃん....じゃなくてAさんは、怒ってないんですか?」


『ふふ、Aちゃんでいいよ。なんなら呼び捨てでも』


善逸「そ、そんな!!俺まだ殺されたくないし...」


『私は柱でもなんでもないわ。ましてや、次期炎柱候補の1人と言われてはいるけど、継子でもなんでもないし。炎なら、お姉様の方がずっと上手く操っているわ。』


善逸「じゃあ、俺も善逸って呼んでください」


『.....いいの?』


善逸「そう呼んでくれた方が、なんか距離が近づいた感じがして....あ、いや!!!えっと、下心とかはないんですよ!!!?」


『ふふふふっ!善逸、面白いね。敬語辞めようよ。』


善逸「あ、、うん。....あの、Aちゃんって炎の呼吸使うの?」


『うん。私の家族があんな目にあった時、駆けつけてくださった鬼殺隊の方が煉獄杏寿郎様で。お姉様と手を握りあって、絶対にあの鬼を倒すって約束し合ったとき、ならば私が鍛えよう!!って言ってくださったの』


善逸「そ、それもう継子じゃないの!?」


『そうなのかなぁ』


ふと空を見上げ、手で仰いだ。
なんてまっさらで青い空なんだろう。


私はこんなにもどす黒く、熱い炎をあげているというのに。


炭治郎も善逸も、綺麗な心を持っている。


私は、そんなに綺麗になれない。


私以外があの変態鬼の被害にあえばよかったと、何度も思った。


善逸「Aちゃん....?」


『ねえ善逸。私ね、すごく嫌な奴なの。あの変態鬼に、なんで私たちが襲われなきゃいけなかったのって、鬼殺隊に入ったあとは何度も何度も思ってた。違う人が襲われれば良かったのにって思ったこともあるの。』


善逸は、黙って聞いていてくれた。


『私、強くなればなるほど、周りの女の子たちが羨ましくて。恋愛もして、友達と遊んで、楽しそうに暮らす。私も、2年前はあんな生活を送っていたのに、って思うの。私は最低な人間なの。だから...』


善逸「ねえ、Aちゃん」


突然低い声で話を遮った善逸に、ビクッと身体が揺れた。

導く手→←伊之助の襲来《善逸視点》



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設定タグ:鬼滅の刃 , 鬼滅 , 善逸   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:蒼乃 | 作成日時:2021年1月4日 16時

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