荒む心 ページ3
『お姉様、あちらに鬼の気配がします』
紹巴「あら、Aったら鬼殺隊として様になってきてるわね」
『お姉様ほど強くは無いですけど.... 嬉しいです』
シュパッ ギリギリギリ ザシュッ
私はまだ13歳だった。
普通なら、幸せな生活を送り、こんなおぞましい鬼なんて知らずに生きているだろう。
友と遊び、笑い、格好いい人と恋をする。
そんな当たり前を奪ったのは、すべてこの鬼なのだ。
お姉様は、鬼を切ることで、私達のような辛い思いをする人を減らしたいと言う。
でも、私は少し違った。
「なんで私達が。なんで私達の家族が。」
そんな憎しみもあった。
同時に、鬼に家族や恋人を殺され、喰われ、泣き叫び崩れていく者を見て、私がもう少し早く来ていれば、と後悔・罪悪感でいっぱいになった。
私は、あの変態鬼さえ切れればあとはどうでもいいと思っていた。
でも、お姉様はそれだけではお母様や裕次郎、春秋の無念は晴らせないと言った。
当時、まだ13の私には難しく、理解できなかった。
ならば、無念を晴らすにはどうすれば良いのか。
わからぬまま、目の前の鬼を切り倒した。
わからない。わからない。わからない。
鬼を切っていけば、絢音と瑚羽音の居場所も掴めると思った。
何処にいるの。
だが、やっとの思いで私の家族を惨殺した鬼の事件について知っている鬼を見つけても、詳細は口にしてくれなかった。
《鬼舞辻無惨》。
絶対に口にしないように呪いでもかけているのか。
鬼殺隊に入り、2年がたった。
私は何一つ、情報を掴めなかった。
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作者名:蒼乃 | 作成日時:2021年1月4日 16時