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約束。 ページ31

【有一郎Side】

『せんぱーい!寒いからくっついていいですか?』

「嫌だ」

こいつも懲りないなぁと思う。初めて告白されてから4ヶ月近くが経つのに、未だに俺のことが好きだという。

もう12月になるし、そろそろ諦めたっていい頃なのに。

「A。お前、俺のこと諦めるつもりないのか?」

『ないですよ。あるわけないじゃないですか』

「……はぁ」

この4ヶ月、うっとおしくなかったと言えば嘘になる。でもそれと同じくらい、こいつには助けられた。

毎日毎日うるさすぎて、感傷に浸る余裕もない。おかげで失恋の痛みは、何度も思い出さずに済んだ。

Aにそこまでの意図があってやっているとは思えなかったけど、感謝しているのは本当だ。……言うと面倒だから、絶対に言ってやらないけど。

『そうだ、先輩。25日予定ありますか?』

「……なかったら何だよ」

『私とデートしませんか?』

「めんどくさい」

『一回だけ!一回だけでいいですから!先輩が楽しめるようにめちゃめちゃプラン考えますし、絶対に飽きさせないので!』

……まぁ、いいか。どうせ予定もないし、一人でいるとあの二人のことを思い出しそうだし。

「俺が奢らないって前提なら、行ってやってもいい」

『え!?本当に!?』

「うるさいから、あんまり大きい声出すな。……で、行くのか?」

『行きます!行かせていただきます!』

Aは心から嬉しそうな顔で笑った。特別美人というわけではないけど、笑った顔は綺麗だと思う。

『じゃあ、LINE教えてください』

「……ん」

『じゃあ、QRコードで……。はいっ、できました!これでいつでも先輩と連絡取れますね』

「用事ある時以外は連絡してくるなよ。お前、絶対うるさいから」

『私を何だと思ってるんですか?流石に用もなくスタ連とかはしませんよ』

「もししたら、一回につき罰金3000円な」

『たっか!!……気をつけます』

Aは表情が豊かなほうだと思う。だけど俺の前で見せている顔は、全部どこか不自然だ。

まるで、自分を偽っているような顔。俺がそこまでAを気にする理由はなかったけど、それだけは唯一気になるところだった。

気を遣われるのは好きじゃない。でも、無神経過ぎるやつも嫌いだ。

その点こいつは、一見能天気に見えても俺が嫌がることはしない。多分、多少は気を遣っているのだろう。

適度にバランスが取れていて、思いやりはしっかり伝わってくる。

だから俺は、こいつといるのがわりと好きだった。

クリスマス 壱。→←名前。



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【夜桜】・しーちゃん・ - わぁ…!もう感動したぁ…! (2020年8月14日 13時) (レス) id: 031218a0d7 (このIDを非表示/違反報告)
みゅう(プロフ) - 少し嫉妬しそう。ぷくー (2020年4月17日 0時) (レス) id: 5656ed0b69 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんゆん - うふふうふふふふふふニヤニヤニヤにや (2020年4月9日 15時) (レス) id: 76b4a4436f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - やばいっ!無一郎君も好きだけど、有一郎君派に行きそう/// (2020年4月6日 21時) (レス) id: 2eacc9981a (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - 連載お疲れ様でした!最後凄い泣けました……(´;ω;`)これからも頑張って下さい! (2020年4月6日 21時) (レス) id: da75407877 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:karin | 作成日時:2020年2月14日 21時

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