時透双子が甘すぎる【キメツ学園】 (ページ3)

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数学。ページ3

「xが～で、……だから――になる。分かったかァ」

……駄目だ、全然分からない。

不死川先生の授業は決して分かり辛い訳ではないけど、内容が難しくて理解できない。

私は数学が苦手だ。どんな教科より、何よりも苦手。

「A、分かった？」

『……ううん、全然分からない』

「仕方ないなぁ。……ほら、見せて」

解きかけの問題を無一郎くんに見せると、机をくっつけて教えてくれた。

無一郎くんの教え方は分かりやすくていつも助かっているけれど、とにかく近い。

『あの、無一郎くん。……近い』

「ん？いいじゃん別に。駄目なの？」

『別に駄目じゃないけど、恥ずかしいの！』

この人は本当に、自分の顔が整っているという自覚がないのだろうか。

『……あっ』

消しゴムを落としてしまった。

先生の話を遮らないよう、そっと拾おうとする。

……ん？
今何か、当たった気がする。

違和感を感じて下を見ると、同じように拾おうとしてくれた無一郎くんの手とぶつかったところだった。

『！！ごめん、無一郎くん』

「なんで謝るの？別に謝ることじゃないでしょ。……あれ、顔赤いよ」

だって、いくら幼なじみとはいえ無一郎くんも男の子だから。こんな漫画みたいなシチュエーション、照れない方がおかしい。

「……もしかしてA、意識してる？」

無一郎くんはいたずらっ子のように、ニヤッと笑う。その顔で恥ずかしさがピークに達する。

『違っ……く、ないです……』

咄嗟に否定しそうになったけど、事実だから認めるしかない。

ああもう、絶対馬鹿にされる！
というか、からかわれる！

と、思ったのに。

「……え」

無一郎くんの顔を見ると、真っ赤だった。

『無一郎くん？なんで赤くなってるの？』

「いやだって、本当に意識してくれてるとは思わなくて。……何これ、恥ずかし」

『……そんな顔しないでよ。私まで恥ずかしくなっちゃう』

授業が終わるまで、二人とも真っ赤だった。

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令和コソコソ噂話

無一郎くんの一番の得意科目は数学です。

Aちゃんに教えてあげるために、頑張って勉強しているらしいですよ！

『あのね、無一郎くん。ここ分からないんだけど……』

「見せて。……ああ、これか。これは全体を一つの平行四辺形として見て――」

『……あ、なるほど！ありがとう無一郎くん、すっごく分かりやすい！』

「！！(……何、可愛すぎ)」

笑顔でお礼を言われるのが、何よりのご褒美だとか。