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肝試し。 ページ16

『……もう、やだっ……!』

「A、怖いの?」

「暗いだけだし造りは雑だし、別に怖くも何ともないだろ」

『だ、だって!すごい暗いし、さっきだってなんか……その、ばあって出てきたし……!』

夜九時頃。私たちはキメツ学園の校舎で、肝試しを行っていた。

中等部二年では宿泊学習がない代わりに、親睦会を兼ねた学校宿泊会というのがある。肝試しはその恒例イベントらしく、先生たちやお化け役の生徒がそれぞれの部屋で脅かそうと息巻いていた。

普通は二人でするものなのに、私たちは三人で肝試しをしている。それはクラスが違う有一郎くんがこっそり混ざっているからだった。

「兄さん。なんでいるの?」

「別にいいだろ。クラスの奴らと話してても、別に楽しいこととか無いからな。こうしてAの顔見てたほうがよっぽど有意義だ」

『……私、それどころじゃないんだけどっ……!』

時透家と合同でキャンプをした時に山で遭難して以来、暗いのが怖くて仕方ない。……そういえば、あの時もこの二人が見つけてくれたんだっけ。

「ごめんねA。怖いなら手、繋ぐ?」

『うんっ!』

「じゃあ俺は反対の手にする」

「……俺の彼女なんだけど」

「関係ないだろ。幼なじみとして繋いでるだけだ」

正直私としては、両手が塞がってた方が安心できる。

『ごめんね……。ビビリなのは全然治ってないみたい』

「いいんだよ」

「怖がってても可愛いから」

……すっごく甘い。
けど、いつものように恥ずかしがる余裕もない。

無一郎くんが懐中電灯で照らす方向を変えた。曲がり角って何か出て来そうですごく怖い。

すると、案の定――。

「……見つけた。私の、生首ィィィィィッ!!」

『いっ、いやああああああああ!!!』

体中血塗れの女の人が、こちらに手を伸ばしてきた。頸のところがスパンと切断されている。

私の顔は涙でぐしゃぐしゃだ。嘘、これ本当に仕掛け人!?頸がない人って、こんなにちゃんと再現できるものなの!?もしかして本物なんじゃ……?

「……中にいるのが誰か知らないけど、Aが本気で怖がってるからやめて」

「もし続けるようなら許さない」

「――あらあら、仕方ないわね。Aちゃん、大丈夫?」

中から出てきたのは、カナエ先生だった。普段すごく美人なのに、あんなに怖いなんて驚きだ。

「……Aは僕が守るから、大丈夫」

「そんなに怖がるなよ」

二人がいつもよりかっこよく見えた。当然、特に無一郎くんが。

お約束 壱。→←風邪。



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【夜桜】・しーちゃん・ - わぁ…!もう感動したぁ…! (2020年8月14日 13時) (レス) id: 031218a0d7 (このIDを非表示/違反報告)
みゅう(プロフ) - 少し嫉妬しそう。ぷくー (2020年4月17日 0時) (レス) id: 5656ed0b69 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんゆん - うふふうふふふふふふニヤニヤニヤにや (2020年4月9日 15時) (レス) id: 76b4a4436f (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - やばいっ!無一郎君も好きだけど、有一郎君派に行きそう/// (2020年4月6日 21時) (レス) id: 2eacc9981a (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - 連載お疲れ様でした!最後凄い泣けました……(´;ω;`)これからも頑張って下さい! (2020年4月6日 21時) (レス) id: da75407877 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:karin | 作成日時:2020年2月14日 21時

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