時透双子が甘すぎる【キメツ学園】 (ページ12)

今日:1 hit、昨日:32 hit、合計:112,148 hit

そしてまた、朝。ページ12

「……A、起きて」

『う～ん、もう少し、だけ……』

「ねぇ起きてよ。……起きないとキスするよ」

『ん！？』

いつも通りにしてたと思ったけど、朝からこんな台詞あったっけ！？

驚いて急に目が覚めた。

「おはよ、A」

『……ん、ちょっと待って。なんで無一郎くんが隣にいるの？』

「起こしに来たんだけどあまりに可愛い顔で寝てるから、添い寝」

『っ……それはまだ早いでしょ！朝からこんなことされたら心臓もたないんだけど！』

「あ、それいいかも。A、心臓なんてもたなくなっていいよ。もっと僕にドキドキしてよ」

『……その声で、その台詞は反則……』

だって無一郎くんの声って、この上なくかっこいいんだよ。耳元でこんなことささやかれたら、眠るなんて無理。

「もう少し寝る？俺、Aの寝顔眺めたい気分になっちゃったんだけど」

『～っ、しない！起きる！』

ガバッと布団から飛び起きる。

確かに晴れて彼氏彼女にはなったわけだけど、朝からこんなに甘いなんて想像もできなかった。

『じゃあ私着替えるから……』

「出ていかなきゃ駄目なの？」

『当たり前でしょ！？ほら、早く！』

無理矢理押し出した。
いくら恋人同士でも、着替える場にいるのはまだ無理だ。

私たち、中二だし。健全なお付き合いをする年頃だし。

それにしても、いきなりあんなに距離を詰めてくるとは。これまでだってすっごく近かったのに、今はゼロセンチでしょう多分。

……有一郎くんは来なかったな。断ったのも私だし、一緒に登校しようなんて言える立場じゃないけど。

でも、今までの関係が全部なくなったみたいで寂しい。

「あ、A。準備できたみたいだね。行こう」

『うん。……ねぇ無一郎くん、有一郎くんは？』

「兄さんは日直だから先に行ったよ。でも、明日からはいつも通り一緒に行くって。少しは遠慮してほしい。Aの彼氏は僕なんだけど」

『無一郎くん、拗ねてるの？ヤキモチ？』

頬を膨らませてそっぽを向いている。かっこいいときはかっこいいのに。……あ～、好きだなぁ。

「……そうだけど。悪い？」

『ううん！すごく嬉しい。それに、可愛いなあって』

無一郎くんの眉がピクリと動いた。

……なんか気に障ること言ったかな。

「――A」

『は、はいっ！』

「駄目だよ。男に可愛いなんて言ったら」

『……ごめんね』

「それに、可愛いのはAのほうでしょ」

『！！』

唇にキスされた。

私、本気で心臓がもたないかも。