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絶対に教えない ページ3

冨岡side




義「A・・・!!」




愛する人の頬を触ると、もう冷たくなっていた。




義「俺がもっと、早く来ていれば・・・っ!」




Aの温もりが消えていくと共に、俺の後悔の念はどんどん募っていった。
しばらくその場でうずくまっていると、聞こえるはずのない声がした。




『え?何これ!?』

義「・・・A?」




死んでしまったはずの彼女が、傷が治った姿で俺の目の前に立っていた。




義「どういうことだ・・・」

『それはこっちの台詞ですよ!』




俺も驚いているが、Aの方がもっと驚いている。
彼女はしばらく自分の腕や足を触ると、今度は俺に触れようとしてきた。




『あれ、触れない・・・』




彼女の白くて綺麗な手は、俺の肩を通り抜けた。
よく見ると、彼女の体の奥には森が見える。透けているのだ。




義「成仏、できていないのか?」

『そうみたいですね・・・。何故でしょうか?』




Aはじっくり考えた後、何かをひらめいたように目を見開いた。




『さっきの返事だ!』

義「・・・まさか」

『私がさっき告白した返事、教えてください!それを聞いたら、きっと成仏できます!』

義「俺は・・・」




返事をしたら、Aは消えてしまうのだろうか。
そう考えたときには、俺が次に言うことは決まっていた。




義「・・・嫌だ。絶対に教えない」

『なんで!?』




Aが、この世に存在してくれるのなら。
俺は自分の思いが、Aに届かなくてもいい。




冨岡sideおわり

複雑な感情(一部変更しました)→←プロローグ



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設定タグ:鬼滅の刃 , 冨岡義勇 , 恋愛   
作品ジャンル:恋愛
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むー(プロフ) - なんていいお話……ッッ!泣きました!! (7月30日 22時) (レス) @page35 id: 72e740ca3a (このIDを非表示/違反報告)
天の河 - あああ!泣く!泣くよ!泣いて良い!?(勝手に泣いとけ)凄く感動しました………ありがとうございます。 (2020年5月31日 16時) (レス) id: cb69af0fdb (このIDを非表示/違反報告)
ちょこれーと - めちゃくちゃ感動しました。涙ぼっろぼろですよ!新作も楽しみにしてます! (2020年5月14日 19時) (レス) id: 64be1a2e2a (このIDを非表示/違反報告)
ろんちゃん - いいお話でした…感動しました…とてま素敵な作品でした! (2020年5月11日 17時) (レス) id: fc640f7e8a (このIDを非表示/違反報告)
なつ(プロフ) - 最後、感動の涙が…!素敵な作品、ありがとうございました! (2020年4月22日 13時) (レス) id: ac5ebdda5f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いちご | 作成日時:2020年3月4日 23時

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