20 ページ21
主side
日の傾いた頃、ようやく花街に着いた。
休憩も挟みながら来たが、思ったより遠かった。
『李、どこの店か案内してくれるか?』
李「うん!いいよ!」
もうそろそろ日が落ち、花街が本性を見せ始める。役人たちが1人2人と足を運び始める。
『ときと屋…か』
女将「…!李!」
李「…!!」
李は女将さんに飛びついて大泣きし始めた。
安心したのだろう。
『無事に帰れてよかったな、李』
女将さんには軽く説明をして、夜には気をつけるように伝えた。
李「あ。あの!ありがとうございました!」
『おう、李が大きくなったら、また会いに来るよ』
ときと屋を後にして、花街を出るように歩いて行った。
ふと、嫌な空気が走った。
何だ?鬼がいるのは確かだが、ここは天元の管轄。
しかし、ここにいるのが上弦だったらどうする。
『…いや、あの3人もいる。きっと、大丈夫だ』
______________________________
花街を離れて数十キロ。
10分ほど走って行った先に鬼がいるとのことで、鴉に急かされた。
まだ暗くなったばかり。
鬼も数字のもたない鬼だったのですぐに終わった。
『今日は寝れそうだな。ちょっと仮眠するか』
木にもたれかかって、少し意識を飛ばした。
夢を見た。
懐かしい夢だ。
まだ絵を描くことができた少年時代。
店から少し離れたところにある枝垂れ桜を毎日のように絵に描いていた。
鴉「オイ!オキロ!!!」
『んぬ、な、なんだよ』
鴉「花街デ上弦ノ陸出現!!タダチニムカエ!」
ざわりとした感触が背中を逆撫でする。
鴉の言葉を聞き終わる前に花街へと走り出した。
92人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:だしまきたまご | 作成日時:2020年2月20日 21時