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幕間オマケ ページ19

<紫苑side>


気づいたら暗闇に一人で立っていた


キョロキョロと見回しても特に何も見えなかったので、とりあえず動こうとして


違和感に気づいた


腕にまとわりつく黒い影



よく見れば腕だけじゃない。足にも胴体にも
首にも──まるで私を逃がさないとでも言うかの如く、身体中に巻き付いている


黒くモヤモヤとしたその影は、よく見れば縄のような形をしていた





──ここに長く留まるな、さっさと“逃げろ”


私の中の何かが急かす

それなら自分でやったらどうだと問うてみたが
(いわ)く、そいつではどうにもならなかったらしい


確かによく見れば縄のあちこちに傷ができていてぼろぼろだが、それだけで切れる気配はない



とりあえずそのうちの一本を手にとって力ずくで引っ張ってみたら案外あっさり切れた


あれっ?楽勝じゃね?



なんて思ったら、切れた先からスルスルと新しい靄が伸びてきてあっという間に元通りに。

…………いや、むしろさっきより太くなった気さえする





さてどうしたものか

“鬼には切れない鬼を縛る縄”



そんなものを切れるとしたら、きっと──







ふと頭をよぎったのは刀を握る一人の青年。
冷たいようで本当は暖かいあの温もりは

──今も(・・)感じる












気づけば右手に一振りの刀を握っていた。
美しい青色をしたそれを、私は迷うことなく振り下ろす






───

一通り斬った後には塵と化した残骸だけが散らばっていて、再び再生する様子はなかった



それを確認したとき

───プツン

と細い糸が切れた音がした。




それは私と、私を鬼にしたアイツとの間にあった忌まわしい繋がりが完全に切れた音だった

























───。

思わずこぼれていた笑みはどちらのものだったか。闇に紛れた真相は誰も、知らない───

(拾参)柱と鬼→←幕間



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設定タグ:鬼滅の刃 , 転生 , 鬼殺隊   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - とっても面白いです!続き楽しみにしてます! (2019年8月14日 15時) (レス) id: 2141c8a0fe (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - しお。さん» そうですね、蜘蛛山を(主に戦闘シーンを)書ける気がしなかったので順番を変えさせていただきました。わかりづらくてスミマセン (2019年8月13日 3時) (レス) id: 3f852bffb3 (このIDを非表示/違反報告)
しお。(プロフ) - 炭治郎と柱が会う前に煉獄と猗窩座が戦う設定なのですか? (2019年8月13日 2時) (レス) id: 73602697de (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 銀狐的なさん» ありゃりゃ……また間違えてましたか。すいません、ご指摘ありがとうございます!一応全部見返したのですが1ヶ所しか見つけられませんでした。そこで合ってますかね?(私の目が節穴でないことを祈る)…………そろそろ続き書きます。 (2019年8月13日 1時) (レス) id: 3f852bffb3 (このIDを非表示/違反報告)
銀狐的な - すごく面白い!あと、「鬼血術」じゃなくて、「血鬼術」だと思います。更新頑張れ!応援してる! (2019年8月12日 20時) (レス) id: c9fba58961 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:赤い金魚草 | 作成日時:2019年5月25日 0時

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